内藤陽介 Yosuke NAITO
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 国連平和維持要員の国際デー
2014-05-29 Thu 14:38
 今日(29日)は、国連平和維持活動 (PKO) にかかわった全ての人の献身と勇気を称え、PKOで命を失った人々を追悼する“国連平和維持要員の国際デー”です。というわけで、PKOがらみのマテリアルの中から、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ハイチ・国連PKO

 これは、1995年4月、PKOとしてハイチに展開された国際連合ハイチ・ミッション(UNMIH)に参加のバングラデシュ軍の中佐が差し出したカバーです。料金無料のため切手は貼られておらず、UNMIHの封筒が使われています。

 1986年、長年にわたってハイチを支配してきたデュバリエ独裁政権が崩壊。以後、ハイチの政情は不安定化しますが、1990年12月、国連の選挙監視の下で史上初の民主的選挙が実施され、ジャン・ベルトラン・アリスティッドが大統領に当選しました。しかし、翌1991年9月、ラウル・セドラひきいる軍事クーデターによりアリスティッドが国外に退避するとともに、多くの難民が国外に脱出しました。

 当然のことながら、国際社会はハイチの軍事クーデターを非難し、米州機構は経済制裁を発動。さらに、1993年6月には国連による経済制裁も開始されました。

 このため、同年7月、米国の仲介により軍事政権とアリスティドとの交渉が行なわれ、軍事政権は10月をもって退陣するとの合意が成立。これをうけて、9月23日、安保理決議867号でUNMIHが設立され、民政復帰を支援することになりました。しかし、実際に10月に入っても軍事政権は退陣を拒否したため、国連は経済制裁を再開しました。

 それでも、軍事政権は退陣しなかったため、国連は、1994年7月31日に採択された安保理決議940号で、ハイチの正統政権(=アリスティッド派)支援のために多国籍軍を派遣。さらに、9月14日には米軍が介入することで、ようやく、軍事政権は退陣し、10月15日にアリスティドが帰国して、民政復帰を果たしました。

 その後、アリスティッド政権の下で事態は徐々に安定し、1995年6月の国会議員選挙と12月の大統領選挙ではアリスティッド派が勝利。これを受けて、UNMIHは徐々に規模を縮小し、1996年6月30日をもって国際連合ハイチ支援団(UNSMIH)に改編されました。

 しかし、その後もアリスティッド派と反アリスティッド派の対立から政治的混乱は続き、1999年1月以降、国会議員の任期切れにより国会は事実上の機能を停止。また、2000年の大統領選挙ではアリスティッドが当選したものの、野党側は選挙の無効を主張し、大統領退陣運動が激化します。そして、2004年に入ると、反政府武装勢力による主要都市の占拠が相次ぎ、2月29日、アリスティッドは亡命しました。

 このため、国連安保理は、ふたたび、ハイチ情勢安定化のための暫定多国籍軍を派遣。2004年6月1日には国連ハイチ安定化ミッションが発足し、2006年の大統領選挙ではルネ・ガルシア・プレヴァルが当選。プレヴァル政権下で治安情勢は徐々に安定しつつありましたが、2008年4月には国際的な食糧の高騰の影響で物価が暴騰したことをめぐり、大規模なデモが発生。またもや情勢が不安定しつつある中で、2010年に大地震が発生し、ハイチ社会は壊滅的な打撃を受けることになりました。ちなみに、2010年の大地震後には、わが国から陸上自衛隊もハイチに派遣され、首都ポルトープランスを宿営地とし、仮設住宅の建設に必要ながれきの除去や整地作業などを行っています。

 このあたりの事情については、拙著『事情のある国の切手ほど面白い』でもまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。

 さて、ことし(2014年)は、わが国とカリブ共同体(旧英領を中心にカリブの14か国1地域が加盟。ハイチも加盟国です)の事務レベル協議開始後20年が経過した年であるとともに、ジャマイカならびにトリニダード・トバゴとの国交樹立50周年にもあたることから、“日・カリブ交流年”とされています。

 8月1-3日、東京・墨田区で開催が予定されている<全日本切手展2014>でも、これにちなみ、外務省の認定を受けた“日・カリブ交流年”の行事として“カリブ切手展”を併催の予定です。今後も、同展の事前プロモーションを兼ね、機会を見つけてカリブ共同体加盟諸国・地域の切手をご紹介していきたいと考えておりますので、よろしくお付き合いください。


 ★★ 講座「切手を通して学ぶ世界史:第一次世界大戦から100年 」のご案内 ★★ 

       中日・講座チラシ    中日・講座記事

 7月18日・8月29日・9月19日の3回、愛知県名古屋市の栄中日文化センターで、第一次大戦100年の企画として、「切手を通して学ぶ世界史」と題する講座を行います。

 講座では、ヨーロッパ、中東、日本とアジアの3つの地域に分けて、切手や絵葉書という具体的なモノの手触りを感じながら、フツーとはちょっと違った視点で第一次世界大戦の歴史とその現代における意味を読み解きます。

 詳細は、こちらをご覧ください。

 * 左の画像は講座のポスター、右は講座の内容を紹介した5月20日付『中日新聞』夕刊の記事です。どちらもクリックで拡大されますので、よろしかったらご覧ください。
 

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