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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 サッカーW杯開幕
2014-06-13 Fri 10:45
 サッカーの第20回ワールドカップ(W杯)ブラジル大会が、現地時間12日、サンパウロで開幕しました。というわけで、きょうはこの切手です(画像はクリックで拡大されます)

      ブラジル・W杯(1950 地球)

 これは、1950年6月24日、同年のW杯ブラジル大会に際して開催国のブラジルが発行した記念切手で、地球を背景にサッカー選手が描かれています。

 ブラジルにおけるサッカーの歴史は、1894年、サンパウロ出身の英国系ブラジル人(父親がスコットランド人鉄道技師)で当時19才のチャールズ・ミラーが、イングランドで10年間の学生生活を終え、帰国したところから始まります。学生生活の10年間でサッカーに魅せられたミラーは、英国でも評価の高いフォワードとして活躍していましたが、帰国後、ブラジルでは“フットボール”がほとんど知られていないことに驚き、サンパウロ市の東地区、現在のプラス駅付近にブラジル最初のサッカー場を作ってサッカーを普及させようとしました。

 ミラーの活動はすぐに注目を集め、翌1895年には、サンパウロで鉄道会社チームとガス会社チームにより初の試合が行われました。この時の両チームのメンバーはいずれも英国人ないしは英国系でしたが、その後、サッカーは急速に普及し、1901年には、サンパウロ州リーグが結成されるほどになりました。

 ところで、1930年の第1回W杯は、南米のウルグアイで開催されました。これは、当時のサッカー強豪国ウルグアイが1930年に独立100周年を迎えるということに加え、ヨーロッパ中心でアマチュアリズムの五輪に対抗して、世界最高水準の技量を競うというW杯の独自性を打ち出す必要があったためです。

 ウルグアイ開催された大会には、南米7ヵ国(ウルグアイ、アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、パラグアイ、ペルー)、欧州4ヵ国(ベルギー、フランス、ユーゴスラビア、ルーマニア)、北米2ヵ国(メキシコ、米国)の計13カ国が参加し、開催国のウルグアイが優勝しました。欧州からの参加が少なかったのは、当時の船旅は選手たちの負担が大きすぎたことによるものですが、結果的に、ウルグアイが優勝したことは南米の新興独立諸国でもサッカーなら“世界一”になれるということを示すものとなり、以後、南米諸国は国威発揚の手段としてサッカーを奨励するようになりました。
 
 特に、第1回W杯が開催された年にブラジルで政権を掌握したジェトゥリオ・ドルネレス・ヴァルガス(1930-45年、1951-54年に大統領)は、各州の自立傾向が強く、ポルトガル語とカトリック以外には共通の土壌がないと言われていたブラジルにナショナリズムを定着させるため、サッカー振興に力を注ぎました。

 ヴァルガスによるサッカー振興は、1945年に軍事クーデターで彼がいったん失脚した後も継承され、1946年には、1950年のW杯の大会招致に成功。決勝戦の会場として、世界最大のマラカナン・スタジアムが建設されました。ブラジル国民の多くが自国の優勝を信じて疑いませんでしたが、決勝戦でウルグアイに1対2対の惜敗してしまいます。

 これがいわゆる“マラカナンの悲劇”ですが、結果として、その雪辱を目指す気持ちがブラジル国民に共有されることで、サッカーはより深くブラジル社会に浸透。ブラジル代表は1958年のスウェーデン大会、1962年のチリ大会で連続優勝してサッカー王国としての地位を確立するとともに、サンパウロ出身の主将ベリーニ、黒人のペレやジジ、インディオの血ひくガリンシャらを擁する“混血主義”のチーム構成により、あらゆる地域と階層、人種を統合した“ブラジル国民”のイメージを確立させることになったといわれています。


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       中日・講座チラシ    中日・講座記事

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