内藤陽介 Yosuke NAITO
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 コート・ディヴォワールと蹴球
2014-06-14 Sat 11:25
 サッカーのW杯は、日本時間の明朝(15日)、日本代表が初戦の相手コート・ディヴォワールと対戦します。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      コートディヴォワール・サッカー

 これは、1961年、当時のコート・ディヴォワールの首都、アビジャンで行われた“友好大会”の記念切手のうち、サッカーを取り上げた25フラン切手です。

 アフリカで国際的なスポーツ大会を開こうというプランは、1923年、ピエール・ド・クーベルタンが最初に提唱。1924年のパリ五輪から準備が進められ、翌1925年には最初の開催地としてアルジェが内定しました。しかし、準備の過程で、スポーツを通じてアフリカのナショナリズムが高揚することを恐れた各国の植民地当局の反対により、大会は行われないままに終わりました。

 その後、あらためて1928年または1929年にエジプトのアレキサンドリアでアフリカ大会を開催することが計画されましたが、この大会もアルジェ大会と同様の理由で英仏両国の反対により中止されています。

 1958年、フランス第5共和政がスタートし、旧フランス連合は共和国(本国・海外県・海外領土)と共同体構成国からなるフランス共同体に改編されることになり、共同体構成国には、外交・国防・通貨・経済などの権限を除き、大幅な自治が認められることになりました。これを受けて、仏領アフリカには多数の自治共和国が発足しましたが、その紐帯を維持するため、ドゴールは“友好大会(Jeux de l'Amitié)”の名でアフリカを中心とする国際スポーツ大会を計画。1960年4月には、その第1回大会がマダガスカルのタナナリボで開催されました。そして、翌1961年12月に第2回大会として開催されたのが、今回ご紹介の切手のアビジャン大会です。

 さて、コート・ディヴォワールは、1958年12月、フランス共同体内の自治共和国となり、1960年8月7日に正式に独立。初代大統領には、独立運動の指導者だったフェリックス・ウフェ=ボワニが就任しました。

 独立後のウフェ=ボワニ政権は、親仏政策を取るとともに、コート・ディヴォワール民主党(PDCI。もともとはアフリカ民主連合のコート・ディヴォワール支部)による一党独裁体制を敷き、主要産業であるカカオの生産と輸出を国家が管理する体制を構築し、1960年代から1970年代にかけて年平均8パーセントの驚異的な経済成長を達成。アフリカの新興独立国の多くが経済的に低迷を続ける中で、彼の国家運営は“イヴォワールの奇跡”と称賛されました。
  
 さて、コート・ディヴォワールのサッカー代表チームは、正式独立直前の1960年4月13日、タナナリボでの大会でベナン代表と戦ったのが初の公式戦で、3-2で初勝利を挙げています。

 FIFAワールドカップへの参加は1974年が最初のことでしたが、以後、2002年大会まですべて予選で敗退しており(1982年は不参加)、2006年になってようやく初出場を果たし、以後、2010年、2014年と計3回の出場しています。

 ところで、コートディヴォワールでは、1993年にウフェ=ボワニが現職のまま亡くなると、憲法の規定に則って、国民議会議長でPDCI党員のコナン・ベディエが第2代大統領に就任しますが、以後、政局は次第に不安定化。1999年12月には軍によるクーデターが発生。2002年9月には政府軍と反政府勢力との対立から、反政府勢力が国土の北部・西部を支配下に置き、事実上国を二分する内戦状態となりました。

 こうした状況の中で、2005年、コート・ディヴォワール代表がW杯初出場を決めた試合の直後、エース・ストライカーのディディエ・ドログバが、ロッカールームからの中継で国民に内戦の停止と選挙の実施を呼びかけたことで、戦闘が一時休止。さらに、W杯後の2007年6月3日、ドログバが大統領に直訴して、反政府勢力が実効支配していた北部でコート・ディヴォワール代表とマダガスカル代表の試合を実現したことが、南北の和解の糸口となり、その後の暫定和平交渉につながったというエピソードもあります。

 明日の試合では、そのドログバも出場することになるのでしょうが、どんなプレーを見せてくれるのか、楽しみですな。


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