内藤陽介 Yosuke NAITO
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 万博切手帳の製造工程
2006-05-06 Sat 22:19
 今日は東京・目白の切手の博物館で開催中の<テーマテーマ収集グッド10!>の会場で、ギャラリートークを行ってきました。内容は、1970年の大阪万博にあわせて発行された記念切手帳で、会場に展示してある下の画像のマテリアル(クリックで拡大されます)を使って、その製造工程などをお話しました。お集まりいただきました皆様には、この場を借りてあらためてお礼申し上げます。ただ、口頭の説明ではいささかわかりにくいという声も若干ありましたので、このブログでも、ちょっと復習的に説明しておきましょう。

万博切手帳未裁断(2次)

 *画像は第2次発行のものです。第1次発行分の画像は、こちらをご覧ください。

 万博の切手帳は、万博の記念切手のうち、7円切手5枚、15円切手・50円切手各一枚を組み合わせ、中央部で2つ折りにして表紙に貼り付けた形態となっています。切手帳の周囲はストレートエッジ(目打を穿孔しない裁ち落しの状態)になっていますので、切り離して単片にしてもシート切手とは容易に区別することができます。

 切手帳は開いた状態で、縦の長さは7円切手5枚分で、中央の余白は切手1枚分のスペースになっています。このため、下の図のように(出典は『切手』1970年4月27日号です)、輪転機に給される巻取紙を横断する方向にペーンの長辺が来るように並べ、連続櫛型2段抜きで目打の穿孔を施すというのが基本的な製造方法となります。(まぁ、単純化すると2段ずつ|_|_|_|といった感じの目打針を打っていくと考えてください)

万博切手帳・目打図

 その際、表紙を付けないペーン(切手帳の中身の切手部分)のみを印刷するのであれば、印刷のシリンダー1本で切手帳10冊分を連続して刷っていけばよいのですが、今回は表紙を付けてから1冊ずつ裁断していくという作業が入るため、途中で位置あわせのスペースを設ける必要が生じます。

 このため、4ペーン連続の状態のものをふたつ並べて中央に1枚分の余白部分を挿入したうえで、その余白部分に裁断用のトンボ類を入れ、ここで切り離して枚葉紙(巻いていない状態の紙)の状態にしたものをトンボであわせて表紙を貼りこみ、最後に4分割するという手法が取られました。

 一方、目打に関しては、連続櫛型2段抜きの目打枠を切手帳用にするため、不要の目打針が抜かれました。その際、50円切手の側は全て目打針を外すので問題ないのですが、7円切手の側は、上端部分で縦の目打針を残すという発想で目打針を組み立てると目打は完成した切手帳の上部へ突き抜ける状態となり、横の目打針を全て外すという発想で目打針を組み立てると目打穴は突き抜けない状態となります。上の図では、右側が目打の状況を示したものになります。

 実際の作業では、当初つくられた切手帳は目打が上部へ突き抜けていますが、途中から、目打の突き抜けていないものが製造されるようになっています。おそらく、作業効率の点で改善が図られたためでしょう。

 さて、今回ご紹介した未裁断シートの現物を展示している<テーマテーマ収集グッド10!>の会期は、明日(7日)までです。なかなか、表に出てくるマテリアルではありませんので、ご興味をお持ちの方は、是非お見逃しなきよう!
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