内藤陽介 Yosuke NAITO
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 “べべ・ドク”没す
2014-10-05 Sun 22:30
 ハイチのかつての独裁者、ジャンクロード・デュバリエ元大統領が、きのう(4日)、首都ポルトープランスの自宅で、心臓発作のため亡くなりました。享年63。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ハイチ・切手100年(デュヴァリエ)

 これは、1984年にハイチで発行された“切手100年”の記念切手で、ハイチ最初の切手に描かれたリバティと当時の大統領のジャンクロード・デュヴァリエの肖像が並べて描かれています。ちなみに、ハイチ最初の切手が発行されたのは1881年で、今回ご紹介の切手にも“1881-1981”の表示がありますが、実際に切手が発行されたのは1984年のことでした。

 1956年末、ハイチではクーデターが発生し、軍事独裁政権が発足しました。翌1957年、民政復帰のために行われた大統領選挙では、厚生相・労働相などを歴任したフランソワ・デュヴァリエが“黒人主義”を掲げて当選します。

 フランソワは、当初、“進歩派”とみられていましたが、当選翌年の1958年に反デュヴァリエ派のクーデターが鎮定するとこれを機に一挙に独裁化。1964年には終身大統領となり、ヴードゥー教を悪用した個人崇拝を国内に浸透させて国家を私物化し、秘密警察トントン・マクートを駆使して反対派とみなされた国民を容赦なく逮捕・拷問・殺害するなどの恐怖支配を展開しました。

 今回ご紹介の切手に取り上げられているジャンクロードは、そのフランソワの息子で、1971年、父親が亡くなると、わずか19歳で大統領職と共に父親の路線を継承しました。デュヴァリエ父子に対しては、父親のフランソワを“パパ・ドク”、息子のジャンクロードを“べべ・ドク”と呼ぶこともあります。

 デュヴァリエ父子の圧政に対しては、1978年頃から反政府暴動が頻発しましたが、ジャンクロード政権は軍や秘密警察を用いてこれを徹底的に弾圧。そのうえで、1980年には国内財閥の娘で濫費家のミシェル・ベネットと結婚し、1983年には
父親に倣って終身大統領に就任しました。

 長年にわたるデュヴァリエ父子の圧政に対して、1985年、ついに全国規模の反乱が発生。ジャンクロードは従来通り、これを武力で鎮圧しようとしたものの、反乱を機にハイチが共産主義化を恐れた米仏両国がジャンクロードを見捨てたため、1986年、彼はフランスに亡命しました。その後、ハイチ地震翌年の2011年1月、「祖国の再建を手伝いたい」などと話して突如ハイチに帰国しましたが、在任中の人権侵害や公金横領容疑などで、訴追されていました。

 なお、ハイチの現代史に関しては、拙著『事情のある国の切手ほど面白い』でも1章を設けて取り上げておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


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