内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界の国々:ラオス
2014-10-29 Wed 21:39
 アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2014年10月29日号が、先週、刊行されました。僕が担当しているメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はラオスの特集です。その記事の中から、こんなモノをご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      ワット・ポー・ハケオ

 これは、1952年、フランス連合内のラオス王国として発行された切手で、ヴィエンチャンのワット・ホー・パケオが描かれています。ちなみに、現在のワット・ホー・パケオの実際の外観はこんな感じです。

      ワット・ホー・パケオ(実物)

 現在のラオス国家の領域は、かつて“百万頭の象の王国”を意味するラーンサーンと呼ばれていました。16世紀後半、ラーンサーンの王であったセーターティラートは、王都ヴィエンチャンを建設するとともに、新都に王室の守護寺院としてワット・ホー・パケオを建立。旧都ルアンパバーンから本尊のエメラルド仏(実際には濃緑色の硬玉でできています)を移して都としての体裁を整えました。

 しかし、17世紀末、ラーンサーンの王国は、ルアンパバーン、ヴィエンチャン、チャンパーサックに分裂。彼らは対立・抗争を繰り返しながら徐々に弱体化し、1779年にシャム(現タイ)のとの戦争に負けて、その属領となってしまいます。この過程で、ヴィエンチャンのエメラルド仏はシャムに持ち出され、1784年、現王朝(ラッタナコーシン朝)の始祖であるラーマ1世がバンコクの王宮付属寺院であるワット・プラケーオにエメラルド仏を移しました。これがバンコクのエメラルド寺院のルーツです。

 1885年以降、すでにヴェトナムを掌中に収めていたフランスは漢族ホー(太平天国の残党といわれている武装集団)の襲撃から、タイの属国であったラーンサーンを守ることで、彼らの信頼を獲得。そのうえで、1893年、ラーンサーン地域の領有権を主張して砲艦外交を展開し、1905年までにラオスの全地域を保護国化しました。

 このため、1940年6月、第二次大戦でフランスがドイツに降伏し、さらに、日中戦争下の日本が、同年9月、中国との国境封鎖を求めて仏領インドシナ北部に軍事進駐すると、タイはフランスに国境紛争を挑み、ラオス(の一部)を自国の“領土”として回復しました。

 これに対して、フランスは、自らの支配下に残ったルアンパバーンを強化することで対抗すべく、ルアンパバーン域内各地に小学校を新設するとともに、現地の住民に対して“母なる祖国・フランス”への奉仕を強調。このことが、結果的に、現在の“ラオス”という枠組でのナショナリズムを生み出し、ラオス現代史の起点となりました。

 さて、『世界の切手コレクション』10月29日号の「世界の国々」では、日本との関係も深いルアンパバーン国王シーサワーンウォンとその生涯や、メコン川周辺の自然と文化、内戦時代のパテート・ラーオとその切手などもご紹介しております。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧いただけると幸いです。

 なお、本日発売の11月5日号では、「世界の国々」はニカラグアにフォーカスを当てておりますが、こちらについては、来週水曜日に、このブログでもご紹介する予定です。


 ★★★ トークイベントのご案内 ★★★

 ・11月1日(土) 14:30- 全国切手展<JAPEX>
 東京・浜松町で開催される全国切手展<JAPEX>会場内で、拙著『朝鮮戦争』のトークイベントを予定しております。よろしかったら、ぜひ遊びに来てください。なお、詳細は主催者HPをご覧いただけると幸いです。
 

 ★★★ インターネット放送出演のご案内 ★★★

      チャンネルくらら写真

 インターネット放送・チャンネルくららにて、10月8日より、内藤がレギュラー出演する新番組「切手で辿る韓国現代史」が毎週水曜日に配信となります。青字をクリックし、番組を選択していただくとYoutube にて無料でご覧になれますので、よろしかったら、ぜひ、ご覧ください。(画像は収録風景で、右側に座っているのが主宰者の倉山満さんです)

 
 ★★★ よみうりカルチャー荻窪の講座のご案内 ★★★

 10月から、毎月1回(原則第1火曜日:11月4日、1月6日、2月3日、3月3日、3月31日)、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で下記の一般向けの教養講座を担当します。

 ・イスラム世界を知る 時間は15:30-17:00です。

 次回開催は11月4日で、途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊  『朝鮮戦争』好評発売中! ★★★ 

 お待たせしました。約1年ぶりの新作です!

        朝鮮戦争表紙(実物からスキャン) 本体2000円+税

 【出版元より】
 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各電子書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

 *8月24日付『讀賣新聞』、韓国メディア『週刊京郷』8月26日号、8月31日付『夕刊フジ』、『郵趣』10月号、『サンデー毎日』10月5日号で拙著『朝鮮戦争』が紹介されました!


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