内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界の国々:セントヴィンセント・グレナディーン
2014-12-24 Wed 11:46
 アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2014年12月24日号が、先週、刊行されました。僕が担当しているメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はカリブ海の島国セントヴィンセント・グレナディーンズ(以下、SVG)を取り上げました。その記事の中から、こんな切手をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      セントヴィンセント・捕鯨

 これは、1971年に英領セントヴィンセントのグレナディーン諸島で発行された地図の切手で、北西部分にはグレナディーン諸島で捕鯨の行われている海域が示されています。

 SVG は、その名のとおり、火山島のセントヴィンセント島と珊瑚礁のグレナディーン諸島からなる国で、その主島であるセントヴィンセント島に西洋人として初めてコロンブスが来航したのは1498年のことでした。一方、セントヴィンセント島の南に連なるグレナディーン諸島には、プティ・セントヴィンセント島とプティ・マルティニーク島の間に国境があり、北側はSVG 領、南側はグレナダ領となっています。

 このうち、グレナディーン諸島北部のベクウェイ(ベキア、ベクアとも)島周辺は、古くから捕鯨の地として知られていました。

 すなわち、18世紀初頭、大西洋に面した北米大陸の沿岸部で捕鯨を始めたニューイングランド地方の捕鯨家たちは、近隣海域での鯨類資源が枯渇すると、操業区域を拡大。19世紀以降、 マッコウクジラとザトウクジラを求めてカリブ海地域に進出しました。

 グレナディーン諸島では、1860-70年代に米穀捕鯨団の活動が最盛期を迎えたが、これに伴い、多くのベクウェイ島民が捕鯨船に雇用され,て捕鯨技術を習得。1875-76年頃からは、島民自身による捕鯨が行われるようになり、海岸から漕ぎ出す捕鯨ボートによってザトウクジラの漁が行われました。

 ベクウェイ島では、捕鯨船員は強く信頼に値する男性として社会的に尊敬を集めており、ザトウクジラが南下してくる毎年2月上旬の日曜日、捕鯨シーズンの開幕を祝して、英国国教会の司祭によって捕鯨船を祝福し、乗組員の安全と捕鯨の成功が祈願する儀式が行われてきました。しかし、グリーン・ピースをはじめとする環境テロリスト集団の悪質なプロパガンダに影響された国際的圧力や、過酷な労働ゆえの後継者難などにより、彼らの伝統文化の維持・継承は容易ではなくなっています。

 さて、『世界の切手コレクション』12月24日号の「世界の国々」では、英領セントヴィンセントが現在のSVG として独立するまでの歴史のほか、グレナディーン諸島のうちのユニオン島の概論、初代首相のミルトン・カトや真夏のカーニヴァル、スフリエール山の噴火後の寄附つき切手などもご紹介しております。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧いただけると幸いです。

 なお、本日発売の12月31日号では、「世界の国々」はアフリカのギニアを特集していますが、こちらについては、来週、このブログでもご紹介する予定です。


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      チャンネルくらら写真

 毎週水曜日、インターネット放送・チャンネルくららにて、内藤がレギュラー出演する番組「切手で辿る韓国現代史」が配信されています。青字をクリックし、番組を選択していただくとYoutube にて無料でご覧になれますので、よろしかったら、ぜひ、ご覧ください。(画像は収録風景で、右側に座っているのが主宰者の倉山満さんです)

 
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 *8月24日付『讀賣新聞』、韓国メディア『週刊京郷』8月26日号、8月31日付『夕刊フジ』、『郵趣』10月号、『サンデー毎日』10月5日号で拙著『朝鮮戦争』が紹介されました!


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