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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 年賀状のスタンプ
2015-01-05 Mon 11:11
 例年のことですが、“郵便学者”という看板を掲げて生活している関係から、僕は毎年、年賀状には干支にちなんだ切手・スタンプを取り上げることにしています。もっとも、ただ単に干支の切手・スタンプを持ってくるだけではつまらないので、①できるだけ他の人が使いそうにないモノ、②その年の仕事の予告編になりそうなモノ、③可能な限り、干支を取り上げた年賀切手は除く、という基準で選んでいます。きょう(5日)は仕事始めでオフィスで僕の年賀状をご覧になるという方もあると思いますので、今回の年賀状のスタンプについて簡単に解説いたします。(画像はクリックで拡大されます)

      平和記念特印

 これは、いまから96年前の1919年、第一次世界大戦の講和条約調印を記念して用いられた特印(特殊通信日付印)の図で、この年の干支であり、平和の象徴でもある羊の顔が大きく取りあげられています。

 元日のご挨拶でも少し触れましたが、現在、日本切手を題材とした書籍の原稿を書いておりますので、今回は日本関連のマテリアルの中から、最もインパクトのある羊ネタということで、あえて切手ではなく、この特印の図を持ってきました。また、今年1年、皆さまが平和にお過ごしになれますようにとの意味合いも込めたつもりです。

 さて、第1次大戦に参戦し、戦勝国となった日本は、1919年1月に始まったヴェルサイユ会議に参加し、同年6月28日、講和条約に調印します。これを受けて、同年7月1日が“平和記念日”とされ、全国各地で様々なイベントが催されるとともに、4種セットの記念切手が発行されました。

 逓信省は1919年1月から記念切手と絵はがき発行の準備を進め、5月14日までに図案をすべて決定していましたが、報道されている会議の進行状況から、講和条約の調印は8月以降になりそうなので、記念切手の準備は7月半ばまでに完了すればいいと考えていました。ところが、急遽、6月28日の条約調印、7月1日の平和記念日という段取りが決まったため、あわてて、7月1日の切手発行と特印の使用に踏み切っています。

 今回ご紹介の特印は、塚本靖と樋畑雪湖の協議によって制作されたもので、1919年7月1日から1ヵ月間、1・2等局(郵便物の集配を行わない局と季節限定で開局される局を除く)と特に指定された3等局の計614局で使用されました。この印を押して実際に差し出された郵便物の一例を下に画像として貼っておきましょう。

      平和記念(米宛葉書)

 この葉書は、大戦平和記念切手のうち、結城素明のデザインした鳩とオリーブの4銭切手を貼って日光から米国宛に差し出された葉書です。消印の日付欄のうち、月の部分が見えないのですが、特印の使用期間は1919年7月の1ヵ月間だけですので、7月23日に差し出されたものとわかります。

 なお、例によって、年賀状の投函は年末ぎりぎりになってしまいましたので、まだお手元に届いていない方もあるかと思います。(ちなみに、拙宅には、明らかに昨年の御用納め以前に投函されたと思しき、オフィスからの年賀状が昨日の夕方にも何通か届きました)

 早々に賀状をお送りいただきながら、僕の賀状がまだ届いていないという方々におかれましては、今しばらくお待ちいただきますよう、伏してお願い申し上げます。


 ★★★ イベント「みんなで絵手紙」(2月8日)のご案内 ★★★

      狛江絵手紙チラシ・表     狛江絵手紙チラシ・裏

 2月8日(日) 10:00-17:00に東京・狛江のエコルマホールにて開催のイベント「みんなで絵手紙 見て、知って、書いて、楽しもう」のトークイベントに内藤陽介が登場します。内藤の出番は13:30-14:15。「切手と絵・手紙」と題してお話しする予定です。是非、遊びに来てください。主宰者サイトはこちら。画像をクリックしていただくと、チラシの拡大画像がごらんになれます。


 ★★★ 講座「切手と郵便物に刻まれた“終戦”」(2月20日)のご案内 ★★★ 

       ミズーリの消印

 2月20日13:00~14:30、愛知県名古屋市の栄中日文化センターで、「切手と郵便物に刻まれた“終戦”」と題する講座を行います。

 2015年は第二次世界大戦の終戦から70周年にあたります。終戦の年の1945年はあらゆる意味で社会が激変した年ですが、その影響は切手や郵便物にもさまざまな痕跡を残しています。今回の講座では、当時の切手や郵便物を読み解いていくことで、一般の歴史書では見落とされがちな終戦の諸相を、具体的なモノの手触りとともに明らかにしてみたいと思っています。

 詳細は、こちらをご覧ください。(画像は、日本の降伏文書調印が行われた米軍艦ミズーリ号から降伏文書調印日に差し出された郵便物の一部分です) 

 
 ★★★ よみうりカルチャー荻窪の講座のご案内 ★★★

 毎月1回(原則第1火曜日:1月6日、2月3日、3月3日、3月31日)、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で下記の一般向けの教養講座を担当します。

 ・イスラム世界を知る 時間は15:30-17:00です。

 次回開催は1月6日で、途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊  『朝鮮戦争』好評発売中! ★★★ 

        朝鮮戦争表紙(実物からスキャン) 本体2000円+税

 【出版元より】
 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各電子書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

 *8月24日付『讀賣新聞』、韓国メディア『週刊京郷』8月26日号、8月31日付『夕刊フジ』、『郵趣』10月号、『サンデー毎日』10月5日号で拙著『朝鮮戦争』が紹介されました!


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