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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界の国々:ナミビア
2015-02-25 Wed 12:38
 アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2015年2月25日号が、先週刊行されました。僕が担当しているメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はアフリカ南部のナミビアを取り上げています。その記事の中から、こんなモノをご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

       ヘレロ戦争軍事郵便   ヘレロ戦争絵葉書(裏)   

 これは、1904年、いわゆるヘレロ戦争の際のドイツ軍の軍事郵便として送られた絵葉書とその裏面です。雑誌の記事ではスペースの関係で表面だけしかお見せできませんでしたので、今回は鉄橋を渡るSLを撮影した絵面もご紹介しておきましょう。

 現在の現在のナミビア国家に相当する地域には、15世紀後半にポルトガル人がヨーロッパ人として最初に来航しましたが、広大なナミブ砂漠が広がる過酷な環境ゆえ植民地の形成は遅れ、1793年になって、ようやく、ウォルビス湾の領有が宣言されました。その後、ナポレオン戦争中の1795年、ウォルビス湾は英領となりますが、内陸の開発はほとんど進みませんでした。

 その後、1842年、ドイツ・ライン州のプロテスタント伝道会がナミビアの地で布教活動を始めたものの、先住民の抵抗は激しく、活動は困難を極めます。このため、1868年、伝道会はプロイセン議会に保護を求めましたが、当初はほとんど相手にされませんでした。

 ところが、ドイツ人の活動に刺激を受けた英国がウォルビス湾から内陸へと進出する可能性が高まると、1883年、ブレーメンの商人、アドルフ・リューデリッツが、大西洋沿岸のアングラ・ペクアナ(後のリューデリッツ・ブッフト)一帯を購入。これを受けて、翌1884年4月24日、ドイツ帝国議会はリューデリッツの購入した土地を帝国の保護領とすることを決定しました。これが“ドイツ領南西アフリカ”の起源となります。

 これに対して、ドイツ人入植者によって土地を奪われた先住民、ヘレロは激しく抵抗。1904年1月には首長のサミュエル・マハレロの指揮の下、大規模な武装蜂起が発生しました。
 
 いわゆるヘレロ戦争です。

 ヘレロ側はドイツ人入植者の農場と教会を襲し、ドイツ人の男女合わせて126名が殺害されたため、ドイツ政府は大軍を派遣。その数は最盛期の1905年には18000名にものぼり、反乱鎮圧までの4年間で双方合わせて6万人が犠牲となる大規模な戦闘となりました。この間、ヘレロの抵抗に手を焼いたドイツ軍は、1904年10月、ヘレロの抹殺を宣言。砂漠地帯に追い込まれたヘレロの多くが餓死または井戸水による中毒死しています。今回ご紹介の葉書は、この間の1905年1月20日、ケートマンフープから差し出されたドイツ軍の軍事郵便です。

 また、ヘレロ戦争とほぼ同時期に起きたナマクア(かつてはホッテントッととyばれていましたが、現在では、この語は蔑称として使われていません)の武装蜂起も同様の結果に終わっています。ちなみに、一連の戦争で犠牲になったヘレロは6万人、ナマクアは1万人で、後に、20世紀最初のジェノサイドと呼ばれることになりました。

 その後、1914年に第一次大戦が勃発し、英独間の戦闘が始まると、1915年3月、英連邦の一員として参戦した6万7000の南アフリカ連邦軍がドイツ領南西アフリカに進攻。同月12日には首都ウィントフック(ヴィントフークとも)を攻略し、7月9日には南西アフリカの全域を占領し、作戦を完了しました。

 これにより、ドイツ領南西アフリカは崩壊し、戦後、この地域は国際連盟によって南アフリカ連邦の委任統治領の“南西アフリカ”となり、1990年の完全独立まで、南アフリカの支配を受けることになります。

 さて、 『世界の切手コレクション』2月18日号の「世界の国々」では、ドイツ領南西アフリカ時代から1990年の完全独立にいたるまでのナミビア近現代史を中心に、ナミブ砂漠や長らく南アフリカ共和国の飛び地となっていたウォルビス湾、ダイヤモンドや古代遺跡の壁画を描く切手などもご紹介しております。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧いただけると幸いです。

 なお、本日発売の3月4日号では、「世界の国々」はパラグアイを特集していますが、こちらについては、来週、このブログでもご紹介する予定です。 


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