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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 朝鮮は敵国の一部
2006-05-25 Thu 23:55
 今日からワシントンDCでの国際切手展に出品者として参加するため、アメリカに滞在しています。作品の内容は、例によって新潮新書の『切手と戦争』の元になった「昭和の戦争と日本(Japan and the 15 Years' War 1931-1945)」です。

 昨日の日記でもちょっと書きましたが、今回は日程の都合で大韓航空で成田から仁川経由でワシントン着というフライトになりました。で、昭和の戦争に絡めて、日本・韓国(朝鮮)・アメリカという三題噺になりそうなネタとしてご紹介したいのが、こんなカバー(封筒)です。(画像はクリックで拡大されます)

敵国宛返送便(朝鮮)

 1910年以来、日本の植民地支配下にあった朝鮮は大日本帝国の一部として日本の戦争に動員されていました。日中戦争が本格化すると、朝鮮内では日本の官憲の弾圧もあり、独立運動の活動家が活動することは極めて困難となり、彼らは主として中国やソ連極東地域、アメリカなどに脱出。朝鮮の人々は、内心はともかく、建前としては日本の戦争に協力するという姿勢をとらざるを得なくなりました。

 今回ご紹介しているカバーは、そういう状況の下で、太平洋戦争初期の1942年、ニューヨークから朝鮮北東部の咸興宛に差し出されたもので、朝鮮宛の郵便物は“敵国ないしは敵国占領地宛”という理由で差出人に返送されたものです。当時の朝鮮の人が内心でどのように思っていようと、朝鮮は日本の一部ということ国際的な認識であったことをうかがわせます。

 ただし、太平洋戦争の勃発後、アメリカは“敵の敵は味方”と言うロジックで、李承晩らの反日独立運動を支援しはじめます。そして、1943年11月、日本敗戦後の東アジアの秩序が話し合われた米英中三国のカイロ会談では、中国の強い意向もあり、連合国として1943年11月のカイロ会談の結果、日本の降伏後に朝鮮を独立させる方針が決定されたものの、アメリカが(南)朝鮮政策についてなんら具体的なプランを組み立てることのないうちに、1945年8月、日本が降伏。朝鮮半島は新たな混乱の渦に放り込まれることになるのです。

 今回、ワシントン展に出品している作品には、今日のカバーは展示していないのですが、いずれ、朝鮮半島の現代史を題材にした作品を作る機会があったら、まずその最初に持ってきたいマテリアルだと考えています。

 *これからしばらく、滞在先のアメリカ東部時間にあわせての更新にしますので、アップされる時間に関して日本との時差が生じますが、ご容赦ください。
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この記事のコメント
#181 切手展は勢いで出品
アメリカでの滞在お疲れ様です。現在小生は以前JAPEXに出品した朝鮮半島の近・現代史のリニューアル版を製作すべく、かつての出品時には手に入らなかったマテリアルの入手に力を注いでいます。かつての出品物は、今思い起こせば、いささか見切り発車の感がいなめず、貧弱なマテリアルばかりでよく出品ができたと思います。よく初出品する時は、スコアに不安を感じて悩むという話を聞きますが、小生の場合は出品したいという気持ちの方が強く、そればかりか「他の出品者、参観者たちの命(タマ)取ったる!!」と勢いでやっていたものです。今でもそんな考えで出品に挑んでいますが。(小生はイケイケが信条だったりしますので)
一方でスコアや賞はあくまで出品に対しての結果論にすぎないというのが正直な考えです。とはいえ、上位の賞を目指したいのも正直な気持ちです。いずれ国際切手展に出品できるだけの実力を得たいものです。
2006-05-26 Fri 23:41 | URL | 大津太孝 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
 大津太孝様
 毎年のご出品、いつも楽しみにしています。いつか、国際展でご一緒できるといいですね。
2006-05-29 Mon 21:17 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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