内藤陽介 Yosuke NAITO
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 姫路城グランドオープン
2015-03-27 Fri 10:55
 6年がかりの“平成の大修理”を終えた姫路城が、きょう(27日)、グランドオープンということで、一般公開が再開されます。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       姫路城(1964)

 これは、1964年に発行された“姫路城修理完成”の記念切手です。姫路城の切手は数多ありますが、今回は、およそ半世紀ぶりの“平成の大修理”完成ということでもありますので、半世紀前の“昭和の大修理”の記念切手を持ってきたという次第です。

 1601年、関ケ原の戦いで勝利を収めた徳川家康は、大阪城の豊臣秀頼と西国の諸大名との間に物理的にも楔を打ち込むため、大阪城の背後にあたる姫路の地に大規模な城を築くことを決定。娘婿(督姫の夫)のおける池田三左衛門輝政をこの地に配し、備前・淡路とあわせて87万石(実際は97万8000石と推定されています)を与え、8年の歳月をかけ5層7階の大天守を持つ大城郭を築かせました。

 さらに池田輝政の後にこの地に封じられた本多忠政は、息子の忠刻の妻として千姫(徳川秀忠の長女)を迎え、“化粧櫓”や“西の丸”一帯を築き、1618年、現在の姫路城が完成しました。

 その後も、徳川幕府にとって姫路(播磨)は、西国諸大名をおさえる重要な拠点だったため、 譜代の大名が配置され、跡継ぎが幼少・病弱な場合には、容赦なく国替が行われたことから、城主は松平氏、榊原氏、酒井氏とめまぐるしく変化していきます。

 明治維新後の1869年、藩籍奉還により、姫路城は兵部省の管轄となり、1872年には陸軍省に引き継がれました。陸軍省は、翌1873年、全国の城郭の存廃を検討し一旦は姫路城を残しましたが、修理費用が捻出できなかったことから、城を競売にかけてしまいます。そして、瓦を再使用するつもりだった神戸清一郎が23円50銭でこれを落札しましたが、落札後、瓦が一般家屋には大きすぎて使えないことがわかると、神戸は城の購入件を放棄。姫路城はふたたび陸軍省の管理下に置かれました。

 このため、1874年、陸軍省は、城内三の丸広場に歩兵十連隊を設置。一部の櫓や門などを取り壊し、大天守なども取り壊すことを決定します。しかし、陸軍省第四局長代理中村重遠(階級は大佐)は、貴重な名城は後世に伝えるべきと考え、1878年、陸軍卿・山県有朋に姫路城の存続を直訴。この結果、1879年1月、ようやく、姫路城の保存が正式に決定されました。

 さて、1929年、国宝保存法が施行されると、法隆寺と姫路城を中心に総合的な大修理を行うことが決定されます。姫路城の修理は、1910年にも行われましたが、その後も老朽化が進行していたためです。さらに、1934年6月、豪雨のため、西の丸のタからヲの渡櫓にかけて、石垣もろとも櫓が崩壊。このため、臨時の災害復旧修理事業として、西の丸の修理計画が立案されることになりました。これが、“昭和の大修理”工事の発端となります。

 これを受けて、1935年、文部省の出先機関として、姫路城国宝保存工事事務所が開設。工事は戦争で中断したものの、1950年、第1次6ヶ年工事が再開され、菱の門から備前丸の範囲が修理されます。さらに、この工事終了と前後して、大天守一帯の根本的な解体修理を含む第二次工事の計画がたてられ、1956年から実施されました。

 工事は大天守をいったん解体し、その上で、旧礎石を撤去してコンクリート地盤を築き、組み立てなおすというもので、8年の歳月とのべ25万人の労働力を費やして、1939年3月末までに、天守群の工事が完了しました。

 姫路城の修理完成に合わせて記念切手を発行するという企画は、文部省からの申請に基づき、1964年1月、昭和39年度の切手発行計画を審議する郵政審議会専門委員会の議題に取り上げられ、満場一致で可決されました。

 切手発行の決定を受けて、現場の制作サイドは資料の収集を開始。文部省の文化財保護委員会や日本城郭協会、さらには地元から資料を取り寄せ、これをもとに、渡辺三郎と大塚均の二人が三種類の原画(渡辺が2点)を作成。このうち、姫路市役所で作成されたパノラマ図を図案化した大塚の作品が2月10日に切手として採用となりました。

 その後、3月5日と17日の2回、印刷局から試刷が提出され、2回目のときに提出された青、紫、茶、暗い茶の4種類の試刷の中から、暗い茶が切手の刷色として決定され、修理完成記念式典の行われる6月1日、切手発行の運びとなっています。

 なお、今回の大修理では、約100トンの白漆喰を塗り替え、瓦約7万5千枚を葺き直して白亜を復活させるとともに、大天守の内部も改装され、耐震補強も施されています。なお、お色直し後の白漆喰は、現状では、まばゆいほどの純白の状態ですが、風雨にさらされるため、4-5年ほどでカビや汚れによって黒ずんでしまい、以前のような色に戻ってしまうそうです。“白鷺城”の異名を実感しようと思ったら、早めに見に行った方がよさそうですな。
 

 ★★★ イベントのご案内 ★★★

 ・4月4日(土) 09:30- 切手市場
 於 東京・日本橋富沢町8番地 綿商会館
 詳細は主催者HPをご覧ください。新作の『日の本切手 美女かるた』を中心に、拙著を担いで行商に行きます。 会場ならではの特典もご用意しております。ぜひ遊びに来てください。

 ・4月25日(土) 11:00-12:00 スタンプショウ
 於 東京都立産業貿易センター台東館(浅草) 特設会場
 出版記念のトークを行います。入場は完全に無料ですので、ぜひ、遊びに来てください。スタンプショウについての詳細はこちらをご覧ください。

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 ・イスラム世界を知る 時間は15:30-17:00です。

 次回開催は3月31日で、途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


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         日の本切手 美女かるた・表紙 税込2160円

 【出版元より】
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 <解説・戦後記念切手>全8巻の完成から5年。その著者・内藤陽介が、こんどは記念切手の枠にとらわれず、日本切手と“美女”の関係を縦横無尽に読み解くコラム集です。切手を“かるた”になぞらえ、いろは48文字のそれぞれで始まる48本を収録。様々なジャンルの美女切手を取り上げています。

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