内藤陽介 Yosuke NAITO
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 小さな世界のお菓子たち:キャラメルの切手
2015-04-06 Mon 16:40
 ご報告が遅くなりましたが、大手製菓メーカー(株)ロッテの季刊広報誌『Shall we Lotte(シャル ウィ ロッテ)』の第27号(2015年春号)ができあがりました。僕の連載「小さな世界のお菓子たち」では、今回は、こんな切手を取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)

       ウルグアイ・キャラメル売り

 これは、2010年にウルグアイで発行された「昔の職業シリーズ」のうち、街頭でドゥルセ・デ・レチェを売る“キャラメル売り”の切手です。

 ラテン・アメリカ諸国では、牛乳と砂糖をゆっくりと煮詰めてキャラメル状にした“ドゥルセ・デ・レチェ”が伝統的な砂糖菓子として親しまれています。その食べ方は、パンやクラッカーに伸ばして塗ったり、ケーキやアイスクリームに混ぜたり、さらに、日本の水飴のようにそのまま舐めたりするなど、実にさまざまです。また、地域によっては固形のキャンディとして固めた状態のものも食されています。

 ドゥルセ・デ・レチェの起源については諸説がありますが、アルゼンチンでは、1829年、ブエノス・アイレス知事のフアン・マヌエル・デ・ロサスの邸宅で、召使がマテ茶に入れるレチャーダ(練乳の一種)を作るため、牛乳と砂糖を煮ていたところ、他に用事ができて目を離したすきに、キャラメル状のものができあがり、それがドゥルセ・デ・レチェの原型になったという伝承があります。

 この伝承はきちんとした資料によって証明できるものではないのですが、そのほかの資料などとあわせて、2003年4月、アルゼンチン政府の文化庁が「ドゥルセ・デ・レチェはアルゼンチンの文化的な遺産である」と宣言。これに対して、ラプラタ川をはさんで対岸のウルグアイは反発し「ドゥルセ・デ・レチェは(アルゼンチンに限定されない)ラプラタ川流域の伝承料理」とみなすようユネスコに申請。両国の間でちょっとした論争になりました。

 じっさい、ウルグアイ国民のドゥルセ・デ・レチェに対する思い入れはかなり強く、2014年にブラジルで開催されたサッカーW杯でウルグアイ代表がグループリーグ初戦でコスタリカに逆転負けを喫した際には、ウルグアイ代表の敗因は、彼らが持ち込もうとした39キロものドゥルセ・デ・レチェが空港で押収されたせいだという報道が真顔で行われたほどです。

 ちなみに、2010年に南アフリカ共和国で開催されたサッカーW杯ではウルグアイは4強入りしましたが、このときのウルグアイ代表は、何の問題もなくドゥルセ・デ・レチェを南アフリカ国内に持ち込んでいます。

 その2010年にウルグアイが発行した伝統的な職業シリーズの1枚には、コックコート姿で鐘を鳴らしながら、ドゥルセ・デ・レチェを売り歩く“キャラメル売り”の姿が取り上げられています。ウルグアイの首都モンテヴィデオは、18世紀にスペイン人が建設した古い街並みが残る都市で、19世紀後半から20世紀前半にかけて英国の影響を受けて発展しました。この時期のモンテヴィデオの街頭には、まさしく、切手に描かれたようなキャラメル売りの姿がいたるところで見られたそうです。キャラメル売りの姿が、妙にいかめしい感じなのが、なんだかミスマッチで笑いを誘われますね。


 ★★★ イベントのご案内 ★★★

 ・4月25日(土) 11:00-12:00 スタンプショウ
 於 東京都立産業貿易センター台東館(浅草) 特設会場
 出版記念のトークを行います。入場は完全に無料ですので、ぜひ、遊びに来てください。スタンプショウについての詳細はこちらをご覧ください。


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  ページをめくれば日本切手48人の美女たちがお目見え!
 <解説・戦後記念切手>全8巻の完成から5年。その著者・内藤陽介が、こんどは記念切手の枠にとらわれず、日本切手と“美女”の関係を縦横無尽に読み解くコラム集です。切手を“かるた”になぞらえ、いろは48文字のそれぞれで始まる48本を収録。様々なジャンルの美女切手を取り上げています。

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