内藤陽介 Yosuke NAITO
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 59年ぶりの米キューバ首脳会談
2015-04-12 Sun 12:16
 米国のオバマ大統領とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長が、きのう(11日)、直接会談を行いました。両国首脳が会談するのは1956年以来59年ぶりだそうです。というわけで、1956年のキューバの出来事に関する切手ということで、この1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

       キューバ・グランマ号

 これは、1965年にキューバが発行した「革命博物館」の記念切手のうち、グランマ号の方位磁石を描いた1枚です。

 1953年7月26日、フィデル・カストロらは親米独裁のバティスタ政権打倒をめざして、キューバ第2の兵営であるモンカダ兵営を襲撃しました。しかし、彼らが期待した一般市民による反バティスタ蜂起は起こらず、逃げのびたカストロ本人も逮捕・投獄されてしまいます。その裁判に際して、弁護士であったカストロは、被告人でありながら自らの弁護を担当し、最終弁論を「歴史は私に無罪を宣告するであろう」との有名な台詞で締めくくったものの、禁錮15年の判決を受け、ピノス島のモデーロ監獄に収監されることになりました。

 しかし、彼が獄中で執筆した手記『歴史は私に無罪を宣告するであろう』が密かに出版されると、カストロらに対する恩赦を求める運動が市民たちの間に広がり、1955年5月、バティスタも渋々ながらカストロの釈放を認めざるを得ませんでした。

 こうして釈放されたカストロは、再起を期していったんメキシコに亡命。そこで、たまたま、“アメリカ帝国主義からラテンアメリカを解放する”との理想を抱いてメキシコシティに来ていたアルゼンチン出身の青年医師、エルネスト・ゲバラ(いわゆるチェ・ゲバラ)と知り合い、意気投合します。

 メキシコでのカストロは、反政府組織“7月26日運動(M26)”を軸に、キューバ遠征のための資金の調達とゲリラの訓練を開始。そして、1956年11月25日、グランマ号でメキシコのトゥスパンを出港しました。

 グランマ号は1943年頃に製造された定員12名のディーゼルエンジン駆動のクルーザーで、カストロが中古のヨットとして購入した時の値段は5万メキシコ・ペソ(当時のレートで約1万5000ドル)でした。なお、カストロは、当初、米海軍のカタリナ飛行艇か航空機救難艇を購入しようと試みたもの、資金が圧倒的に不足しており、最終的にグランマ号しか買えなかったというのが実情でした。

 さて、グランマ号は12月2日にキューバへ上陸しますが、定員を遥かに超える82人もの兵士が乗り込んだために衛生環境が悪化し、さらに荒天でキューバ到着が予定より遅れて航海が長引いた事で、上陸する前に彼らの士気は相当下がっていたと言われています。また、カストロは事前に再上陸することを発表していたので、上陸後すぐにバティスタの政府軍に包囲され、革命側が命からがらシエラ・マエストラ山脈に逃げのびたときには、彼らの兵力はわずか17名(このうちの5名は途中で合流した農民である)にまで減少していました。

 こうして絶望的とも思われたカストロの革命でしたが、キューバ国内のさまざまな反独裁勢力に支えられ、各地の農村から集まってくる志願兵を受けいれるかたちで徐々に勢力を盛り返し、1959年、バティスタ政権打倒の革命を達成します。

 ちなみに、グランマ号が再上陸したときの米大統領はアイゼンハワーでした。米キューバの首脳会談はそれ以来だったわけですから、そう考えると、たしかに歴史的な出来事ではありますな。


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 於 東京都立産業貿易センター台東館(浅草) 特設会場
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