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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 松園生誕140周年
2015-04-23 Thu 10:46
 きょう(23日)は、上村松園が1875年4月23日に生まれてから140周年ということで、検索サイト・グーグルのトップページも「序の舞」を取り込んだデザインになっていました。(以下、画像はクリックで拡大されます)

        松園・グーグル

 というわけで、きょうはこの切手です。

         上村松園・文化人 

 これは、1999年に発行された文化人切手のうち、上村松園を取り上げた1枚で、代表作「序の舞」を背景に、絵筆を握る松園が描かれています。

 1965年の切手趣味週間の切手にも取り上げられた「序の舞」は、1936年に開催された文部省美術展覧会(新文展)の招待展に出品された作品で、松園の最高傑作として重要文化財にも指定されています。

 作品の題名となった「序の舞」とは、能楽の舞の一種で、非常にゆったりしたテンポの、品格のある舞。大小物、太鼓入りの2種類があり、白拍子、遊女、高貴な女性の霊、女体の神霊・精霊等の舞で、曲としては「羽衣」、「井筒」、「江口」など22曲あります。作品中野女性が舞っている曲名については、松園は明らかにしていませんが、能の専門家によると、帯に鳳凰の文様があるので、「羽衣」の序の舞をイメージしたものと推測されるそうです。

 さて、「序の舞」の政策に際して、当初、松園は息子・松篁の妻たね(当時28歳)をモデルにするつもりで、髪を文金高島田に結わせ、瑞雲の立ち上る朱色の振袖に丸帯を締めさせてポーズを取らせていました。なお、ときどき「『序の舞』のモデルは松篁の妻の未婚時代」と解説している文献がありますが、これは、たねがモデルとして未婚女性の服装・髪型をしていたことからくる誤解です。

 さて、たねの顔は美しく、髪も品よくできあがっていたのですが、彼女は仕舞(能の一部を面・装束をつけず、紋服・袴のまま素で舞うこと。当時の富裕な家庭の女性のたしなみの一つであった)に関してはほとんど素人で、松園の望むポーズをとることができなませんでした。

 そこで、松園は金剛流の能楽師、廣田弘に相談し、廣田の娘・宮にポーズを取ってもらうことにしました。ちなみに、宮はこのとき24歳。能楽師の娘として育ち、時折、父の代稽古をしていたほどの腕前でしたので、松園はハイヤーを差し向けて宮を招き、画室でポーズを取らせ、宮の舞姿にたねの頭を組み合わせて作品を完成させたそうです。

 ところで、一般に仕舞を舞う際には、髪を垂らして袴をつけるのですが、松園の「序の舞」は髪を結ったうえに、振袖の裾ひき姿となっています。また、袖が返っていることもあって、能楽を描いた作品としては不自然な部分もあり、一部で批判もあったようです。これに対して、松園は「あくまでも絵の序の舞」という姿勢を貫き、世の大勢も彼女を支持。いつしか、批判の声は消えていきました。

 なお、拙著『日の本切手 美女かるた』では、松園の「序の舞」だけでなく、日本の美女切手を多数取り上げ、いままでの切手洪とは違った角度でさまざまな物語を書いております。機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。 

 ★★★ 明後日(25日)です! イベントのご案内 ★★★

 ・4月25日(土) 11:00-12:00 スタンプショウ
 於 東京都立産業貿易センター台東館(浅草) 特設会場
 出版記念のトークを行います。入場は完全に無料ですので、ぜひ、遊びに来てください。スタンプショウについての詳細はこちらをご覧ください。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊  『日の本切手 美女かるた』 発売! ★★★ 

         日の本切手 美女かるた・表紙 税込2160円

 4月8日付の『夕刊フジ』書評が掲載されました!

 【出版元より】
 “日の本”の切手は美女揃い!
  ページをめくれば日本切手48人の美女たちがお目見え!
 <解説・戦後記念切手>全8巻の完成から5年。その著者・内藤陽介が、こんどは記念切手の枠にとらわれず、日本切手と“美女”の関係を縦横無尽に読み解くコラム集です。切手を“かるた”になぞらえ、いろは48文字のそれぞれで始まる48本を収録。様々なジャンルの美女切手を取り上げています。

 出版元のサイトはこちら、内容のサンプルはこちらでご覧になれます。ネット書店でのご購入は、アマゾンboox storee-honhontoYASASIA紀伊國屋書店セブンネットブックサービス丸善&ジュンク堂ヨドバシcom.楽天ブックスをご利用ください。


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