内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ジャカルタ駅伝の通りの名前
2015-05-31 Sun 21:28
 インドネシアと日本の友好を目的とした「ジャカルタ『絆』駅伝2015」が、きょう(31日)、ジャカルタ市中心部のスディルマン通りで行われました。というわけで、きょうは通りの名前にちなんで、この切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      インドネシア・スディルマン(1961)

 これは、1961年にインドネシアが発行した“独立の英雄”の切手のうち、スディルマンを取り上げた1枚です。

 スディルマンは、1916年(1915年説もあり)、中部ジャワのプルバリンガ生まれ。オランダ語教育を受けたのち、1935年にチラチャプのムハマディヤ系小学校教師となりました。

 教員のかたわら協同組合設立にも参加し、住民の生活改善のために尽力。日本軍占領時代には州参議会議員やジャワ奉公会の役員としても活躍しました。また、1944年には日本軍による軍隊教育を受けて、日本が創設したペタのバニューマス大団長(大団長は大隊長に相当)に任命されています。

 こうした経歴を買われ、独立宣言後の1945年12月、スカルノから初代国軍司令官に任命され、独立戦争の陣頭指揮を取っています。特に、1948年12月19日、ジョクジャカルタが陥落し、大統領のスカルノ以下の共和国政府の閣僚たちが逮捕された際には、結核に侵されながらも、スカルノの投降命令を無視してジャングルに退却して大規模なゲリラ戦を指揮しました。この点について、スディルマンは、国軍は自らを“政府の道具”ではなく“国家の道具”だと弁明し、文民政府の命令によって国家の主権や統一が危うくなる場合には、国軍は政府を無視して国家を守ることこそが義務であると主張しています。

 担架に乗せられ、喀血しながら最前線でゲリラ戦を指揮したスディルマンの活躍もあり、1949年12月27日、インドネシア共和国は完全独立を達成しましたが、スディルマンの病状は、すでにその時、末期的な症状を来していました。そして、完全独立からほぼ1ヶ月後の1950年1月29日、独立戦争最大の英雄は34歳の若さでこの世を亡くなります。

 インドネシア国民の間では、現在なおスディルマンに対する人気が高く、ジャカルタには日本大使館などがあるタムリン通りから議事堂などがあるスナヤン地区に連なる目抜き通りは、彼にちなんでスディルマン通りと命名されました。

 なお、2011年に訪日したインドネシアのプルノモ国防相は、ジョグジャカルタの歴史博物館にあるのと同じ銅像を日本に寄贈しました。ちなみに、下の画像はジョグジャカルタで撮影したスディルマンの銅像です。

       スディルマン像

 銅像の寄贈は、日本占領時代のペタから巣だってインドネシア国軍を指揮したスディルマンの生涯が、両国の友好親善と防衛協力交流のシンボルとしてふさわしいという判断によるもので、寄贈された銅像は東京・市ヶ谷の防衛省敷地内に建立されています。今回の駅伝がスディルマン通りをコースとして行われたのも、こうした経緯を踏まえてのことと思われますが、日本国内で、その点について触れた報道がほとんどなかった(ように見受けられる)のは、ちょっと残念ですな。

 なお、スディルマンほかインドネシア独立の英雄については、拙著『蘭印戦跡紀行』でもいろいろとご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


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