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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 『夜と霧』、初の映画化決定
2015-06-15 Mon 13:05
 オーストリアの精神科医・心理学者ヴィクトール・フランクルがナチスの強制収容所での体験をもとに書いた『夜と霧』が、1947年の刊行以来、初めて映画化されることになったそうです。というわけで、今日はこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      テレジーエンシュタット・小包切手

 これは、1943年7月、ボヘミア保護領に置かれていたテレジーエンシュタット収容所から発送する小包用に発行された切手です。

 『夜と霧』の作者、ヴィクトール・フランクルは、1905年、ウィーン生まれ。ウィーン大学在学中よりアドラー、フロイトに師事し、精神医学を学び、ウィーン大学医学部精神科教授、ウィーン市立病院神経科部長等を歴任していましたが、1938年、ドイツによるオーストリア併合後、“ユダヤ人”である彼はドイツ人の治療を禁じられて解任され、1942年に家族ととともにテレージエンシュタットの強制収容所に送られます。その後、1944年10月、アウシュヴィッツを経てテュルクハイムに移送され、1945年4月、米軍により解放されました。ちなみに、『夜と霧』というと、アウシュヴィッツを連想する人も多いのですが、フランクル本人がアウシュヴィッツに滞在していたのは3日間だけですから、ゆかりの地をあえて選ぶとするなら、テレージエンシュタットがよかろうと思います。

 フランクルが収容されていたテレージエンシュタットは、もともとは、18世紀後半にオーストリアが建設した要塞で、その名は女帝マリア・テレジアにちなんでいます。第一次世界大戦中、要塞は捕虜収容所として使われていましたが、1941年11月に強制収容所が建設されます。この収容所は、国際赤十字の視察調査を受け入れるための施設という色彩が強かったため、他の収容所より外観が丁寧に整えるなど、収容者を優遇していることを装う風が整えられていました。今回ご紹介のような“切手”が発行されたのもそうした事情によるものですが、実逓使用例はごくわずかしか報告されていません。

 もっとも、実際のテレージエンシュタットには、1941年11月24日から1945年4月20日までの間、総計14万人以上のユダヤ人が収容され、そのうち3万3000人以上が収容所内で亡くなるなど、(他の収容所よりは多少はましだったのかもしれませんが)過酷な状況であったことには変わりありません。また、フランクル本人を含む8万8000人は、ここからさらにアウシュヴィッツなどへ移送されており、欧州各地から連行した収容者を次の目的地に送るまでの中継地点、すなわち、“通過収容所”としての性格が強かったのが特徴でした。

 さて、私事ですが、先日、アウシュヴィッツを題材にした本を作ることが急に決まり、現在、毎日その作業に追われています。詳細が決まりましたら、このブログでもいろいろご案内いたしますので、よろしくお願いいたします。


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