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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 米・キューバ、国交回復
2015-07-02 Thu 12:19
 きょう(2日)未明(米東部時間では1日午前)、オバマ米大統領は、キューバと54年ぶりに国交を回復し、双方の首都で大使館を再開することで合意したことを正式に発表しました。というわけで、今日はこんなモノを持ってきました、(画像はクリックで拡大されます)

      キューバ・砂糖宣伝機械印(1960)

 これは、1960年3月、ハバナからニューヨーク宛に差し出された郵便物で、「キューバの砂糖を買おう」という英語・スペイン語のスローガンが入った機械印が押されています。ちなみに、キューバにとって砂糖は伝統的に主要産業でしたから、同様の文言が入った宣伝機械印は長期間にわたり、さまざまなタイプのモノが使われました。

 1959年のキューバ革命を経て発足したフィデル・カストロ政権は、当初、必ずしもソ連型の社会主義国家の建設を志向していたわけではなく、あまりにも極端な富の偏在を是正する“改良主義”の立場に立っていました。
 
 その“改良主義”の実現に際して、カストロ政権は、まず、1959年5月17日、第1次農地改革法を公布して、土地の所有を最大400ヘクタールに制限するとともに、外国人の農場経営の禁止等を法律に盛り込みました。しかし、このことは、革命以前のキューバの富を独占していた米国をいたく刺激します。

 このため、米政府は、農地改革を断行したキューバ政府に抗議。カストロがこれを拒絶すると、マイアミから飛行機が飛来し、爆弾を落としていくようになり、8月以降、融資停止などの経済制裁を開始します。

 米国との対立を深めていく中で、カストロ政府は、必然的に“敵の敵”であるソ連との関係を強化せざるを得なくなりました。

 1959年6月から各国歴訪の旅に出たチェ・ゲバラは、ソ連で50万トンの砂糖購入契約を締結するとともに、以後5年間にわたって、毎年50万トンの砂糖と石油、小麦、科学製品をバーターする契約を締結。さらに、翌1960年2月には、ソ連副首相のミコヤンがキューバを訪れ、ソ連がキューバの年間原油必要量の3~5割を引き受けることや1億ドルの長期開発援助の供与を約束しています。1959年にキューバで革命が起こるまでは、米国の“裏庭”であるラテンアメリカ諸国では、ソ連と外交関係を結ぶことはおろか、経済的な関係を持つことさえタブー視されていました。したがって、キューバがソ連の期待しているような社会主義国家となるかどうかということはさておき、米国の“裏庭”に楔を打ち込むためにも、キューバを援助し、恩を売っておくことはソ連の冷戦戦略にとって有益なことでした。

 こうした事態を目の当たりにした米国は、キューバがついに“赤化”したと判断し、カストロ政権打倒のための経済封鎖に着手。1960年2月、キューバからの果実輸入を禁止するとともに、同年7月には、キューバ最大の輸出品であった砂糖の輸入を停止しました。

 今回ご紹介のカバーは、こうした時期にキューバから米国宛に差し出されたものですが、米国を激怒させた農地改革の宣伝切手を台切手とする加刷切手が貼られ、“キューバの砂糖を買おう”というスローガンが押されているというのが、何とも皮肉な組み合わせです。

 さて、米国によるキューバの砂糖輸入停止に対しては、米国が買い付けを拒否したのと同量の砂糖をソ連が国際価格で買い取ることを申し入れたため、米国側が期待していたような効果を挙げることなく終ってしまいます。これを受けてキューバ政府は、米国を挑発するかのように、「我が国が侵略されるようなことがあれば、ソ連の好意を受け取る以外の道はなくなるだろう」との声明を発表しました。

 この声明に激怒した米国は、ついに、実力でカストロ政権を転覆させることを決意し、8月16日、CIAによるカストロ暗殺計画(毒入の葉巻がカストロのもとに届けられました)を実行に移します。しかし、この秘密工作は失敗に終わり、同月13日、米国はキューバに対して国交断絶を通告。同月9日、キューバに対する経済封鎖を発動しました。

 今回の国交回復はこの時以来のことで、両国大使館の再開は今月20日になる予定だそうです。


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