内藤陽介 Yosuke NAITO
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 鶴見俊輔と逆コース
2015-07-25 Sat 11:43
 リベラル派の重鎮として知られた哲学者の鶴見俊輔氏が今月20日に亡くなっていたことが、きのう(24日)、明らかになりました。享年93。謹んでご冥福をお祈りいたします。で、鶴見氏がらみということで、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      日米交換船(モザンビーク)   日米交換船(モザンビーク・裏)

 これは、1942年7月25日、第1次日米交換船で帰国した米国人(鶴見氏は、これとは逆のルートで日本に帰国)が寄港地のロレンソ・マルケス(現マプート)から香港宛に差し出したものの、送達不能で差出人戻しとなったカバーとその裏面(見やすいように向きは変えてあります)です。

 いわゆる太平洋戦争の開戦に伴い、日本の勢力圏内では、敵国籍の外国人は隔離収容され、その多くは交換船に乗せられてそれぞれの母国へと帰国しました。同様に、敵国となった連合諸国からも引き揚げてくる日本人を乗せた交換船が出航し、双方は中立国の港で落ち合って乗客・物資を交換しています。

 日米間での帰国船は、1942年と1943年の2回運航されましたが(1945年の第3次帰国船は計画の実で実現せず)、このうち、1942年の第1次交換船に関しては、日本側は6月17日に横浜を出港した浅間丸と同28日に上海を出港したイタリア船コンテ・ヴェルデ号が7月22日にポルトガル領東アフリカ(現モザンビーク)のロレンソ・マルケスに入港。米国側は、6月18日にニューヨークを出航したスウェーデン船グリップスホルム号が7月20日にロレンソ・マルケスに入港。ここで、お互いの帰還者を交換し、北米諸国からの帰還者は浅間丸へ、中南米諸国からの帰還者はコンテ・ヴェルデ号へ乗船し、日本およびその勢力圏内からの帰還者はグリップスホルム号に乗船。浅間丸とコンテヴェルデ号は、7月26日にロレンソ・マルケスを出航し、途中、タイ人を下船させるために昭南を経由してし、8月20日に帰国、グリップスホルム号は7月28日にロレンソ・マルケスを出港して8月25日にニューヨークに帰港しました。

 今回ご紹介のカバーは、差出人の住所表示から浅間丸もしくはコンテヴェルデ号に乗ってロレンソマルケスにやってきた米国人が、到着後の7月25日、現地から香港宛に差し出されたものです。横浜に向かう浅間丸とコンテヴェルデ号の出港は翌26日でしたので、そのどちらかに搭載されていれば日本占領下の香港にも無事配達されたのでしょうが、途中で連合国側の南アフリカ連邦の開封・検閲を受け、「(日本占領下の香港宛の郵便物は)取り扱い停止」として差出人戻しになっていますから、浅間丸には間に合わなかったと見るのが妥当だと思われます。

 さて、日米交換船の寄港地であるロレンソ・マルケス(マプート)については、前々から個人的に興味を持っており、2010年には、ヨハネスブルクで開催された世界切手展<JOBURG 2010>の終了後、実際に何日か現地に滞在して、いろいろと取材したこともあります。いずれは、ロレンソ・マルケスをテーマにした本も作りたいのですが…。

 
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