内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
 きょうから世界ジャンボリー
2015-07-28 Tue 09:30
 きょう(28日)から、4年に1度のボーイスカウトの国際大会、世界スカウトジャンボリーが山口市阿知須のきらら浜を主会場に開幕します。日本国内での世界ジャンボリーの開催は、1971年の静岡県の朝霧高原以来、44年ぶり2度目ということなので、きょうは、この切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      第13回世界ジャンボリー

 これは、1971年の前回の日本国内での世界ジャンボリーに際して発行された記念切手です。

 ボーイスカウトの活動の中でも最大のキャンプ大会であるジャンボリーは、各地のボーイスカウトが一堂に集い、キャンプ生活をとおして日頃のスカウト活動を実践し、相互の友情を深め、自発的活動を促すために行われるものです。その世界規模の国際大会としての世界ジャンボリーは、1920年8月に英国のオリンピアで第1回大会が開催されて以来、途中、第二次大戦による中断はあったものの、4年に1度、各国持ち回りで開催されています。

 わが国では、1967年に米シアトルで開催されたボーイスカウト世界大会の決定を受け、1971年8月2日から10日まで、第13回世界ジャンボリーが開催されたのが最初です。このときは、“For Understanding”(相互理解)”のスローガンの下、富士山麓の朝霧高原には、87ヵ国から2万3758名(うち日本人は7783名)のボーイスカウトが集まり、大会は盛会のうちに幕を閉じています。

 1971年の世界ジャンボリーは、ボーイスカウトの参加人員では、東京オリンピック参加者の9200名の2倍以上であり、参加国数でも大阪万博の74ヵ国をはるかにしのぐ巨大イベントでした。また、1962年に、やはり富士山麓の御殿場市滝ケ原で開催されたアジア・ジャンボリーに際して、記念切手が発行されたという先例 もありました。今回ご紹介の切手も、こうした経緯を経て、開会式の行われた8月2日にあわせて発行されたモノです。

 切手は国旗にトランペットを吹くボーイスカウトを描くもので、渡辺三郎の原画は6月28日に報道発表されました。しかし、当初発表された原画には、ボーイスカウトの世界記章を中心に、日本神話に由来する“八咫鏡(八稜鏡とも)”を配した、大会のシンボルマークが入っていませんでした。ちなみに、八咫鏡は、皇位を示す三種の神器の一つで、記紀神話では、天の岩戸に隠れた天照大神が岩戸を細めに開けた時、この鏡で天照大神自身を映し、興味を持たせて外に引き出し、再び世は明るくなったと記されています。

 ボーイスカウト日本連盟にとって、八咫鏡は連盟の記章にも用いられている重要なシンボルで、占領下での連盟再建時にも、神道”を理由に難色を支援していた占領当局を強引に説得して記章から外させなかっただけでなく、1949年に「全日本ボーイスカウト大会」の記念切手が発行された際にも、特印の図案に組み込むよう要請し、それを実現させたという経緯 がありました。このため、彼らとしては、栄えある世界ジャンボリーの記念切手には、ぜひとも八咫鏡を入れたいという思いがあったようで、原画の報道発表がなされると、郵政省に対して大会マークを入れるよう、強く要望しています。

 もっとも、すでに出来上がっている原画に大会マークを識別可能な大きさで加えると画面構成上のバランスが崩れてしまうため、印面の左側下部、国旗掲揚のポールが並んでいる部分にボーイスカウトの世界記章を入れることで両者の妥協が図られ、急遽、図案が修正されることになりました。なお、大会マークそのものは、切手の発行にあわせて使われた特印にしっかり描かれています。

 こうした変更に伴い、発行初日の8月2日に切手を全国の郵便局にくまなく配給することが困難になったため、郵政省は、配給の遅れた地域でも切手が購入できるようにとの配慮から、発行枚数を当初予定の2800万枚から700万枚増やして3500万枚としています。

 ちなみに、今回の世界ジャンボリーに関しても、きょう(28日)、記念切手が発行されますが、残念ながら、八咫鏡(の入った日本連盟の記章)は切手にも、特印にも描かれていません。

 何回でも繰り返して書きますが、天孫降臨神武東征などの記紀神話は、それがそのまま歴史的事実であるとは考えられません。ただし、そういうレベルでいえば、『聖書』の記述なんかも歴史的事実としては認めがたいわけで、欧米のキリスト教世界で(信じるか信じないかは別の問題として)『聖書』の物語をたしなみとして国民に教えているのであれば、わが国でも民族の物語としての記紀神話を日本人の大半が常識として共有しているのが本来の姿でしょう。

 したがって、僕に言わせれば、歴史の授業ではなく、国語の授業で、小学生のうちから徹底的に記紀神話を教え込むべきだと思いますし、日常生活の中でも、折に触れて、記紀神話をイメージできるようにすべきだと思っています。その意味では、今回の切手に関しても、なんらかのかたちで八咫鏡(の入った日本連盟の記章)をデザインに組み込んでほしかったんですがねぇ…。

 まぁ、こういうことを言うと、左巻きの人たちは「戦前の皇国史観が大日本帝国の侵略戦争を支える役割を果たした」などと主張して、僕をネトウヨ認定して反対するんでしょうな。困ったものです。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊  『日の本切手 美女かるた』  好評発売中! ★★★ 

        税込2160円

 4月8日付の『夕刊フジ』に書評が掲載されました!

 【出版元より】
 “日の本”の切手は美女揃い!
  ページをめくれば日本切手48人の美女たちがお目見え!
 <解説・戦後記念切手>全8巻の完成から5年。その著者・内藤陽介が、こんどは記念切手の枠にとらわれず、日本切手と“美女”の関係を縦横無尽に読み解くコラム集です。切手を“かるた”になぞらえ、いろは48文字のそれぞれで始まる48本を収録。様々なジャンルの美女切手を取り上げています。

 出版元のサイトはこちら、内容のサンプルはこちらでご覧になれます。ネット書店でのご購入は、アマゾンboox storee-honhontoYASASIA紀伊國屋書店セブンネットブックサービス丸善&ジュンク堂ヨドバシcom.楽天ブックスをご利用ください。


 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。
スポンサーサイト

別窓 | 日本:昭和・1966~1971 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<< 世界の国々:ヴェネズエラ | 郵便学者・内藤陽介のブログ |  ちすじの黒髪>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/