内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
 世界の国々:タイ
2015-10-28 Wed 09:59
 アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2015年10月28日号が先週刊行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はタイの特集です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      タイ・コメとベンジャロン

 これは、1999年、輸出商品としてのタイ米を宣伝するために発行された切手で、たわわに実った稲穂とベンジャロン焼の器に盛られたご飯が描かれています。

 タイは世界有数のコメ輸出国で、2014年の輸出量は1080万t(金額にして53億7000万ドル)で過去最高を記録し、世界最大のコメ輸出国となっています。タイ米はインディカ米で、主な輸出用の品種はタイ・ホーム・マリ米、タイ・パトゥムターニー香り米、普通米で、コメ生産には、5月頃籾を撒き、11月頃までに収穫する雨季作と、灌漑施設の整っている地域で12月頃から翌年8月頃までに1-2回作付けを行う乾季作があります。

 ご飯が盛られている器のベンジャロン焼きは、古代サンスクリット語で“5色”を意味するの“ベンジャ”と“ロン(グ)”から由来する名称です。ただし、ここでいう5色というのは“多色”という意味で、必ずしも厳密に5種類の色を使っているという意味ではありません。

 タイで釉薬を施した陶器が登場するのは、9世紀から10世紀にかけてのクメール時代のことですが、中国から白い磁器に多色の上絵具を焼き付ける技法(素焼きの後、釉薬を掛けて1300℃近くの高温で本焼きした白い磁器に、上絵具で文様を色付けし、800℃前後の低温で再度焼付けを行います)が伝えられたのは、アユタッヤー王朝時代の16-17世紀のことと考えられています。当時、アユタヤの国王は職人を中国に送り、そこで作らせたものを輸入していたといわれています。

 アユタヤ王朝時代のベンジャロン焼は、現在のものとは異なり金彩は施されていませんでしたが、ラッタナコーシン王朝(現王朝)のラーマ2世(イッサラスントーン)の治世になって、模様の周囲を金で縁取りした“ラーイ・ナム・トーン(ラーイは文様、ナムは水、トーンは金の意)”と呼ばれる」と呼ばれるスタイルが生まれ、王室の御物として用いられるようになります。その後、ベンジャロン焼は王室だけでなく、貴族や豪商に広まり、現在では大量生産の技術も進み、一般庶民にも手の届くものとなっています。

 さて、 『世界の切手コレクション』10月28日号の「世界の国々」では、泰緬鉄道など“大東亜戦争(第二次大戦のタイ語での正式名称をそのまま訳すと、こうなります)”の時代のタイにスポットを当てた長文コラムのほか、タイ最初の切手世界最初の仏教切手となったワット・アルンの切手、バンコクの王宮エリアやチェンマイの伝統料理、立憲革命、タイ犬などを取り上げた切手もご紹介しています。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧ください。

  なお、本日発売の11月4日号では「世界の国々」は現在アラブ首長国連邦の構成国となっているウンムルカイワインの特集で、僕が原稿を書いていますが、こちらについては、来週以降、このブログでもご紹介する予定です。


 ★★★ <JAPEX> トークイベントのご案内 ★★★

   アウシュヴィッツの手紙・表紙  ペニーブラック表紙   

 東京・浅草で開催される全国切手展<JAPEX>会場内で、下記の通り、拙著『アウシュヴィッツの手紙』ならびに『英国郵便史 ペニー・ブラック物語』の刊行記念のトークイベントを予定しております。よろしかったら、ぜひ遊びに来てください。なお、詳細は主催者HPをご覧いただけると幸いです。

 ・10月30日 15:30~ アウシュヴィッツの手紙
 ・11月1日  14:00~ 英国郵便史 ペニーブラック物語


 ★★★ イベントのご案内 ★★★ 

 ・11月7日(土) 09:30- 切手市場
 於 東京・日本橋富沢町8番地 綿商会館
 詳細は主催者HPをご覧ください。新作の『アウシュヴィッツの手紙』ならびに『ペニー・ブラック物語』を中心に、拙著を担いで行商に行きます。 会場ならではの特典もご用意しております。ぜひ遊びに来てください。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊  『アウシュヴィッツの手紙』  予約受付中! ★★★ 

       アウシュヴィッツの手紙・表紙 税込2160円

 【出版元より】
 アウシュヴィッツ強制収容所の実態を、主に収容者の手紙の解析を通して明らかにする郵便学の成果! 手紙以外にも様々なポスタルメディア(郵便資料)から、意外に知られていない収容所の歴史をわかりやすく解説。

 11月上旬刊行予定ですが、現在、版元ドットコムamazonhontoネットストア新刊.netの各ネット書店で予約受付中ですので、よろしくお願いします。

 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。
スポンサーサイト

別窓 | タイ:ラーマ9世時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<< アウシュヴィッツの手紙 | 郵便学者・内藤陽介のブログ |  鬲昆・キルギス・クルグズ>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/