内藤陽介 Yosuke NAITO
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 アウシュヴィッツの手紙
2015-10-29 Thu 10:13
 かねてご案内のとおり、えにし書房から発売予定(奥付上の刊行日は11月11日)の拙著『アウシュヴィッツの手紙』の現物ができあがりましたので、ご挨拶申し上げます。(画像は表紙カバーのイメージ。クリックで拡大されます)

      アウシュヴィッツの手紙・表紙

 本書は、切手や郵便物などを通じて“アウシュヴィッツ”を多角的に考えてみようという本です。

 周知のように、“アウシュヴィッツ”はナチス・ドイツによる強制収容所・絶滅収容所の所在地であり、彼らの人種差別的な抑圧政策により、多くの人々が命を落とした惨劇の場として“負の世界遺産”ともいわれています。

 しかし、当然のことながら、ドイツ語でアウシュヴィッツ、現在の主権者であるポーランドの呼称ではオシフィエンチムと呼ばれている都市は、1933年にアドルフ・ヒトラーが政権を獲得するよりもはるか以前から存在しており、都市としての長い歴史があったということは意外と見落とされがちです。

 そこで、本書では、まず、「“アウシュヴィッツ”以前」と題した第1章を設け、第二次大戦以前のアウシュヴィッツ/オシフィエンチムの歴史を、当時の郵便物などを使って概観してみました。第一次大戦以前、オーストリア切手を貼ってオシフィエンチムの消印が押された郵便物はこの都市がハプスブルク帝国の支配下にあったことを示していますし、郵便物の逓送ルートからはオシフィエンチムが郵便を含む物流の拠点の一つであったことがうかがえます。

 ついで、第2章では、アウシュヴィッツ収容所とそれを生み出した歴史的経緯について、19世紀以来の各国の“強制収容所”の歴史も踏まえつつまとめています。その際、アウシュヴィッツの先例となったダッハウ収容所のみならず、ボーア戦争時に英国が設けた収容所やスターリン時代のソ連の収容所、第二次大戦中の米国の日系人収容所などについても関連する郵便物を紹介しながら、“アウシュヴィッツ”の歴史的な位置を相対化して考えるよう努めたつもりです。

 上記のような前提を踏まえて、第3章では、じっさいにドイツ占領下の“アウシュヴィッツ”から差し出された郵便物をさまざまな角度から分析しています。その際、収容者に対して支給された封筒やレターシートについては、主なヴァラエティを網羅的にご紹介しながら、その社会的・政治的背景との関連を明らかにするよう努めっました。また、私信の内容にも、収容所という特殊な環境下におかれていた人々の実態を知るうえで重要な情報が含まれているので、適宜、それらについては紹介しています。

 そして、最後の第4章においては、第二次大戦後のポーランド政府が、切手という国家のメディアを通じて、“アウシュヴィッツ”をどのように語ってきたのか、また、彼らが発行した“アウシュヴィッツ”関連切手はそれぞれの時代背景の中でドンのような意味を付与されていたのか、という点について考えてみました。

 ナチス・ドイツと“アウシュヴィッツ”に関しては、すでに汗牛充棟ともいうべき先行業績がありますが、アウシュヴィッツ関連の郵便物を読み解いた事例は決して多くはないのではないかと思います。つきましては、ちょっと毛色の変わったアウシュヴィッツ論として、本書を実際にお手にとってご覧いただけると幸いです。

 なお、本書をご自身の関係するメディアで取り上げたい、または、取り上げることを検討したいという方は、このブログの右側、プロフィール下のメールフォームにてご連絡いただければ資料をお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。

 * なお、かねてご案内の通り、明日(30日)、東京・浅草で開催の<JAPEX>会場内では15:30から刊行記念のトーク・イベントを行い、あわせて、、一般書店に先駆けての先行販売を行います。詳細は主催者HPをご覧いただけると幸いです。


 ★★★ <JAPEX> トークイベントのご案内 ★★★

   アウシュヴィッツの手紙・表紙  ペニーブラック表紙   

 東京・浅草で開催される全国切手展<JAPEX>会場内で、下記の通り、拙著『アウシュヴィッツの手紙』ならびに『英国郵便史 ペニー・ブラック物語』の刊行記念のトークイベントを予定しております。よろしかったら、ぜひ遊びに来てください。なお、詳細は主催者HPをご覧いただけると幸いです。

 ・10月30日 15:30~ アウシュヴィッツの手紙
 ・11月1日  14:00~ 英国郵便史 ペニーブラック物語

 ★★★ イベントのご案内 ★★★ 

 ・11月7日(土) 09:30- 切手市場
 於 東京・日本橋富沢町8番地 綿商会館
 詳細は主催者HPをご覧ください。新作の『アウシュヴィッツの手紙』ならびに『ペニー・ブラック物語』を中心に、拙著を担いで行商に行きます。 会場ならではの特典もご用意しております。ぜひ遊びに来てください。

 ★★★ 内藤陽介の新刊  『ペニー・ブラック物語 のご案内 ★★★ 

       ペニーブラック表紙 2350円+税

 【出版元より】
 若く美しい女王の横顔に恋しよう!
 世界最初の切手
 欲しくないですか/知りたくないですか

 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。

 発売元の特設サイトはこちら。ページのサンプルもご覧いただけます。

 ★★★ 内藤陽介の新刊  『アウシュヴィッツの手紙』 のご案内 ★★★ 

       アウシュヴィッツの手紙・表紙 2000円+税

 【出版元より】
 アウシュヴィッツ強制収容所の実態を、主に収容者の手紙の解析を通して明らかにする郵便学の成果! 手紙以外にも様々なポスタルメディア(郵便資料)から、意外に知られていない収容所の歴史をわかりやすく解説。

 11月11日刊行予定ですが、現在、版元ドットコムamazonhontoネットストア新刊.netの各ネット書店で予約受付中ですので、よろしくお願いします。

 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

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