内藤陽介 Yosuke NAITO
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 オックスフォード・ガゼット450年
2015-11-07 Sat 18:16
 現在の『ロンドン・ガゼット』の前身で、 現存する世界最古の新聞とされる『オックスフォード・ガゼット』が1665年11月7日に創刊されて、きょう(7日)で450年です。というわけで、今日は英国の新聞に関連するマテリアルの中から、こんなモノを持ってきました(画像はクリックで拡大されます)

      英国・新聞印紙

 これは、新聞税を支払ったことを示すスタンプが押された英国紙『ベリー・アンド・ノリッチ・ポスト』の断片(本来の意味での“印紙”といえばよいでしょうか)です。

 日本人の感覚では、新聞は毎朝自宅に配達されるもの、もしくは、駅やコンビニで買うものということになっていますが、かつての欧米社会では、郵便で送られるものというイメージが強くありました。

 たとえば、英国の『デイリー・メール』や米国の『ワシントン・ポスト』といった新聞の名前を聞いたことがある方は多いと思いますが、それらはいずれも、新聞が郵便で送られることに由来した命名で、今回ご紹介の紙片に記された『ベリー・アンド・ノリッチ・ポスト』という紙名は、郵便で運ぶことを前提としたものです。

 英国では、17世紀の清教徒革命や名誉革命などの社会の大変革の時期にニュースの需要が高まり、新聞が盛んに発行されるようになっていましたが、18世紀半ば以降、産業革命が本格的に進んでいくと、富を蓄えたブルジョアジーが続々と誕生し、新聞の読者も急速に拡大していきました。

 ここに目をつけた英国政府は、新聞に新聞税を課すかわりに、その代わり、新聞社への懐柔策として、官営郵便で新聞を送る場合の郵送料は無料としていました。

 当時の英国政府の認識では郵税(=郵便料金)も税の一種ですから、結果的に国庫全体が潤えばいいわけで、官営郵便の負担増よりも、新聞の読者が増えたことによる新聞税の増収が上回るのであれば、それで良いという考えだったのです。

 このため、新聞の読者が増えれば増えるほど郵便事業の経営は圧迫されることになります。もちろん、新聞だけが原因というわけではないのですが、新聞を含む無料郵便物の存在は郵便事業に大幅な赤字をもたらす要因となり、1830年代には、その改善のため、さまざまな改革が試みられることになります。その最終形が、1840年の統一1ペニー郵便の実施とペニーブラックの発行となるわけですが、このあたりの事情については、拙著『ペニー・ブラック物語』で詳しくご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。

 * 本日開催の切手市場での拙著の行商は、無事、終了いたしました。お客様各位ならびにスタッフの方々には、この場をお借りして、あらためてお礼申し上げます。ありがとうございました。

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