内藤陽介 Yosuke NAITO
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 人民幣
2015-12-01 Tue 22:43
 国際通貨基金(IMF)は、きのう(30日)の理事会で、国際通貨の一種「特別引き出し権(SDR)」を算定する通貨として、米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドに次いで、中国の人民幣(人民元)を来年10月から加えることを正式に決めました。SDR構成通貨の大幅な変更は35年ぶりのことです。というわけで、きょうは、この切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      華北人民郵政改値加蓋(1949)

 これは、中国の国共内戦末期の1949年1月、中国共産党(以下、中共)支配下の華北解放区で、かの地の郵政を管轄していた華北郵電総局が発行した“華北人民郵政”加刷の切手で、人民幣による額面表示の切手としてはごく初期の1枚となります。加刷の台切手は、1948年2月、晋察冀辺区で発行された阜平版の毛沢東切手(額面は晋察冀辺幣で200円)です。

 国共内戦末期の1948年12月1日、中共は彼らの支配地域にあった華北銀行(河北省石家荘)、北海銀行(山東省済南)、西北農民銀行(陜西省延安)の3行を合併して中国人民銀行を設立。同行の紙幣として、額面1元から5万元までの人民幣を発行しました。当初、中共側は、国共内戦の長期化を予想して、とりあえず、華北・華東西北の辺幣(地方通貨)を整理して統一通貨の人民幣に切り替え、その他の解放区に関しては、順次、辺幣と人民幣の交換を進めるという方針を取っていました。また、新たに“解放”した旧国民党支配地域に関しては、1949年5月の上海占領以降、金円券の回収を本格化。同年10月の中華人民共和国の成立宣言を経て、1951年中には中共支配地域のほぼ全域で、通貨を人民幣に一本化しています。

 しかし、建国当初の混乱や1950年10月以降の朝鮮戦争への参戦もあって、インフレがハイペースで進行。このため、1955年、旧人民幣1万元を新人民幣1元とするデノミが行われ、これが現在の人民幣の直接のルーツとなりました。

 ちなみに、1955年当時の人民幣の為替レートは1米ドル=2.4618元の固定相場制でした。当時は1米ドル=360円でしたので、公定レートによれば、1元=約146円、郵便料金の8分は12円弱(当時の日本の書状基本料金は10円)という計算になります。


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