内藤陽介 Yosuke NAITO
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 聖なる扉オープン
2015-12-09 Wed 11:41
 カトリックでは、“無原罪の御宿り”の祭日にあたるきのう(8日)から、2016年11月20日までの“いつくしみの特別聖年”が始まり、ヴァティカンのサンピエトロ大聖堂では、聖年の開幕を告げる“聖なる扉”の開扉式が行われました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       ヴァティカン・聖年(1950・開扉)

 これは、1950年の聖年に際して、1949年12月21日にヴァティカンが発行した切手で、教皇ピウス12世による“聖なる扉”の開扉式の場面が取り上げられています。

 聖年はカトリック教会において、「ローマ巡礼者に特別の赦しを与える」とした年のことで、教皇ボニファティウス8世が1300年を聖年と定めたのが最初です。以後、原則として25年ごとに聖年が設けられており、前回の聖年は2000年でした。ただし、今回のように、その時々の教皇の判断により、随時設定することも可能とされています。

 今回ご紹介の切手に取り上げられたピウス12世は、1876年、ローマ生まれ。教皇庁の外交官としてキャリアを積み、1939年から1958年まで教皇となりました。彼の在位期間は、ちょうど第二次大戦前後の時期に重なっており、ヴァティカンが国家としてナチスによるユダヤ人迫害を明確に非難しなかったことで、戦後、批判を受けることになりました。その一方で、教皇本人は積極的にユダヤ人を保護しており、たとえば、イタリアの敗戦に伴ってドイツ軍がローマを占領した際には、多くのユダヤ人をヴァティカンに匿い、ヴァティカンの市民権を与えています。この功績により、戦後、イスラエル政府はピウス12世に「諸国民の中の正義の人」賞を授与しました。

 さて、サンピエトロ大聖堂に入る扉には、“聖なる扉”、“秘蹟の扉”、“中央の扉”、“善と悪の扉”、“死の扉”の5つがありますが、このうち、“聖なる扉”は通常は閉ざされており、開かれるのは聖年の期間にのみです。カトリックでは、“聖なる扉”を通った者は“罪の償い”が免除されることになっているため、来年11月までの聖年の期間中、例年以上に多くの信徒がヴァティカンを訪れることが予想されています。


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