内藤陽介 Yosuke NAITO
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 スピッツベルゲン
2015-12-20 Sun 16:12
 北極圏のスピッツベルゲン島西部のロングイェールビーンで、きのう(19日)、雪崩が発生して約10軒の民家が巻き込まれ、1人が死亡、9人が負傷したそうです。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、負傷された方々には心よりお見舞い申し上げます。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ノルウェー・スヴァールバル

 これは、1925年にノルウェーが発行した“スヴァールバル条約発効”の記念切手です。

 スヴァールバル諸島は北極圏のバレンツ海にある群島で、主島のスピッツベルゲン島をはじめとする不毛の島々から構成されており、スピッツベルゲン島最大の町であるロングイェールビーンは、人口1000人以上の町としても最北に位置しています。

 大航海時代の主役であったスペインとポルトガルが南回りの航路を独占したため、後発組の英国やオランダは北周りの航路を開発せざるを得ませんでしたが、その過程で、1596年、オランダ人探検家のウィレム・バレンツがスヴァールバル諸島を発見。さらに、その近海にホッキョククジラが多数生息していることが明らかになると、1611年、英国が同諸島の主島であるスピッツベルゲン島に大規模な捕鯨基地を設置すると、オランダやドイツ、ノルウェーやデンマークなどがこれに続きました。

 ただし、厳しい自然環境のゆえに沿岸部にしか人が訪れない状況が長らく続き、主島であるスピッツベルゲン島の内陸部に人類が初めて人が踏み入ったのは1896年のことです。

 20世紀以降は石炭の採掘がはじまり、米国、英国、スウェーデン、ロシア、ノルウェーなどの会社が進出するようになると、採掘権争いや労働争議などが起きるようになったため、1920年に調印されたスヴァールバル条約(わが国も原加盟国のひとつです)によって①スヴァールバル諸島をノルウェーの統治下におく、②全ての加盟国は同諸島で等しく経済活動を行う権利を有する、③同諸島は非武装地帯とすることなどが定められました。なお、条約の発効は1925年8月14日のことで、今回ご紹介の切手はそれを受けて発行されたものです。

 第二次世界大戦中はソ連に向けて英国の物資を輸送するルートの途上にあったため、連合国軍はスピッツベルゲン島を占拠しましたが、ドイツも同諸島第2の島である北東島に上陸して気象観測隊の兵士を送り込み、秘密裏に測候所を設置していました。ちなみに、1945年5月、ドイツ本国が降伏した後も北東島のドイツ軍測候所は活動を続け、同年9月4日、同島を訪れたノルウェーのアザラシ漁船の船長に降伏しました。これが、第二次世界大戦で最後に降伏したドイツ軍兵士とされています。

 スピッツベルゲン島といえば、最近では、映画『アナと雪の女王』の原案となったアンデルセンの童話『雪の女王』の舞台とされるとして紹介されることも多いのですが、日本人としては、2008年に世界の農作物種の保存を目的に同島に設置された“スヴァールバル世界種子貯蔵庫”のモニュメントを、日本人彫刻家の田辺光彰が手掛けたことも、同島の話題としてもっと注目されてよいのではないかと思います。

 
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