内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
 成人後まもない頃の女王
2016-01-11 Mon 10:37
 きょう(11日)は“成人の日”です。というわけで、この切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ニュージーランド・シャロンヘッド(1864)

 これは、1864年にニュージーランドで発行されたシャロン・ヘッドの1ペニー切手です。

 ヴィクトリア女王は、英国王ジョージ3世の第4王子であるケント公エドワードの一人娘として、1819年5月24日に生まれました。出生時の皇位継承順位は第5位でしたが、1820年1月23日、生後8ヶ月にして父親のケント公が薨去し、さらに、同29日には国王ジョージ3世が崩御します。これを受けて、伯父の皇太子ジョージがジョージ4世として即位します。ジョージ4世は子のないまま、1830年6月26日、崩御。すでに、国王の次弟ヨーク公は1827年に亡くなっており、三弟クラレンス公ウィリアムがウィリアム4世として即位しましたが、この時点でウィリアム4世はすでに65歳の高齢で子がなく、ヴィクトリアは議会から“暫定王位継承者”に認定されます。

 その後、1837年5月24日にヴィクトリアは18歳になり、成人。その直後の同年6月20日、ウィリアム4世が崩御したことで、ヴィクトリアが18歳にして英国女王として即位することになりました。

 今回ご紹介の元になった肖像画は、ヴィクトリアの即位直後の1837年7月、英国議会の開会を宣言するため、女王として初めて公の場に姿を現した時の彼女を描いたもので、ジュネーヴ出身のアルフレッド・エドワード・シャロンが女王本人の依頼を受けて制作しました。ちなみに、ペニー・ブラックの元になった“ワイオンのメダル”は、1837年11月9日の女王のロンドン市庁舎訪問を記念して作られたものですから、肖像としてはシャロンの制作したものの方が、より、成人後早い時期のものということになります。

 さて、シャロンの肖像画は、1838年6月28日、ロイヤル・カズンズによって銅版画として刊行され、“女王の肖像画”として広く知られるようになりました。切手に採用されたのは、1851年4月9日に英領カナダ連合で発行された7.5ペンス切手が最初で、以後、いくつかの英領植民地でシャロンの肖像画をもとにした切手が発行されるようになります。

 ただし、シャロンの肖像画は女王の全身像を描いたものだったため、切手では、小さな印面に収まるよう、顔の部分を中心にトリミングされたデザインとなっているため、“シャロン・ヘッド”と呼ばれています。トリミングの割合としては、女王のネックレスから上の部分を中心にデザインを構成したものネックレスを含めてデザインしたものが多いのですが、今回ご紹介のニュージーランドでは、胸から上の部分を大きく取り上げています。

 さて、昨年11月に刊行の拙著『英国郵便史 ペニー・ブラック物語』では、成人後間もない18歳のヴィクトリア女王の肖像を取り上げた切手などを多数ご紹介しております。機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


 ★★★ 展示イベントのご案内 ★★★

 第7回テーマティク出品者の会切手展 1月17-20日(日ー水。ただし、18日は休館)
 於・切手の博物館(東京・目白)

 テーマティク出品者の会は、テーマティクならびにオープン・クラスでの競争展への出品を目指す収集家の集まりで、毎年、全国規模の切手展が開催される際には作品の合評会を行うほか、年に1度、切手展出品のリハーサルないしは活動成果の報告を兼ねて会としての切手展を開催しています。僕も、昨年の香港展に出品した香港の歴史のコレクションを展示します。入場は無料ですので、ぜひ、遊びに来てください。(詳細はこちらをご覧ください)

 ★★★ 内藤陽介の新刊  『ペニー・ブラック物語』 のご案内 ★★★ 

       ペニーブラック表紙 2350円+税

 【出版元より】
 若く美しい女王の横顔に恋しよう!
 世界最初の切手
 欲しくないですか/知りたくないですか

 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。

 発売元の特設サイトはこちら。ページのサンプルもご覧いただけます。

 ★★★ 内藤陽介の新刊  『アウシュヴィッツの手紙』 のご案内 ★★★ 

       アウシュヴィッツの手紙・表紙 2000円+税

 【出版元より】
 アウシュヴィッツ強制収容所の実態を、主に収容者の手紙の解析を通して明らかにする郵便学の成果! 手紙以外にも様々なポスタルメディア(郵便資料)から、意外に知られていない収容所の歴史をわかりやすく解説。

 出版元のサイトはこちら。各書店へのリンクもあります。

 インターネット放送「チャンネルくらら」にて、本書の内容をご紹介しております。よろしかったら、こちらをクリックしたご覧ください。

 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。
スポンサーサイト

別窓 | ニュージーランド | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<< デヴィッド・ボウイ、亡くなる | 郵便学者・内藤陽介のブログ |  ヴォドゥンの大祭>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/