内藤陽介 Yosuke NAITO
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 アフリカ大陸の大きさ
2016-01-19 Tue 19:01
 南アフリカ共和国(以下、南ア)の大統領府は、きのう(18日)、「アフリカ大陸は世界最大」、「アフリカ大陸は全大陸を合わせた大きさをもつ」としたジェイコブ・ズマ大統領の昨年12月9日の発言を訂正する声明を発表しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      南ア・喜望峰発見500年(地図)

 これは、1988年に南アで発行された“喜望峰発見500年”の記念切手のうち、喜望峰“発見”後に作られた地図を取り上げた1枚で、アフリカ大陸が極端に大きく描かれているのが印象的です。ズマ大統領の脳内世界では、アフリカ地図というのはこんな感じだったんでしょうかね。まぁ、発言そのものはご愛嬌でしょうが、発言から6週間も経ってから訂正の声明が発表された背景には、いろいろな思惑があるということかもしれません。

 さて、喜望峰の“発見者”とされるバルテロメウ・ディアス(英語読みだとバーソロミュー・ディアス)は、1451年頃、ポルトガルの首都リスボン南部のアルグレイヴ地方で生まれました。ディアス家は代々、航海でポルトガル王室に仕える騎士の家柄で、バルトロメウ自身も、軍艦サン・クリストファー号の航海長を務めています。

 1486年、ポルトガル国王ジョアン2世は、ディアスに対して、アジアにいたる交易路を確保するとともに、アフリカにあるキリスト教徒の王、プレスター・ジョンの国を探し出し、友好関係を樹立せよとの命令。準備期間の後、1487年10月、ディアスひきいるポルトガル艦隊は、リスボンを出港しました。

 ディアスの船団は、まずコンゴ川の河口に向かい、そこから南下して、ウォルヴィス湾(現ナミビア領)に入港。さらに南下してポート・ノロス(現南ア領)付近に達しましたが、嵐に遭遇し、沖に流されてしまいます。このため、陸地に近づこうと東へ向かったものの、陸地に到達できなかったため、北上してみると西側に陸地が見えたとのこと。彼らは、漂流しているうちに、いつの間にかアフリカの南端を通過していたというわけです。

 その後、彼らは1488年2月3日にモッセル湾(ケープタウンとポート・エリザベスの中間より、やや西側の港町)に上陸。これが、後の歴史書に「ディアスのアフリカ南端到達」として記されることになる出来事となりました。ちなみに、モッセル・ベイという地名は、1601年にこの地に上陸したオランダ人航海士が、ムール貝(=mussel)が大量にとれることから命名したもので、ディアスとは直接の関係はありません。

 さらに、一行は海岸沿いにアガラス岬をまわり、このまま航海を進めればインドに到達できるとの見通しが立ったことで帰路につき、その途中で1488年5月に喜望峰を“発見”。同年末、リスボンに帰還します。当初、ディアスはリスボンへの帰途で発見した岬を“嵐の岬”と命名して国王ジョアン2世に報告しましたが、国王は、アフリカ南端を廻って東方への航路を拓いたことをいたく喜び、“喜望峰”と改名させました。これが、現在の喜望峰の名前の由来となります。

 今回ご紹介の切手は、ここから起算して500年になることを記念して発行されたもので、取り上げられてい地図は、ディアスの帰国翌年、1489年に制作されたものです。

 なお、ディアス以来の喜望峰の歴史については、拙著『喜望峰』でもいろいろとご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


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この記事のコメント
#2412 長いアフリカ
お久しぶりです。
この地図切手、当方のテーマ作品「地図の歴史」(邦題)でも取り上げていますが、リーフ上では「Africa is too long」と紹介しています。探検の成果として発見、到達した場所の地名を地図上に記載したためこのように海岸線が長くなったという考えがあります。ポルトガルによる探検のアフリカ周回までの苦難の歴史を物語っているようです。
今年の「テーマティク出品者の会切手展」には残念ながら仕事の関係で行くことができません。明日まだ一日残っていますが、厳しい寒さの中、無事盛況のうちに終了することを祈っております。
2016-01-19 Tue 22:44 | URL | mapstampfan #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
・mapstampfan 様
 
 お返事差し上げるのがすっかり遅くなり、申し訳ございません。

 たしかに、仰る通り、海に流されたそのままの感覚を地図化するとこんなイメージになるのでしょうね。そう考えると、なんとなくのんびりしていた時代のことがしのばれて、楽しい?デザインです。

 テーマの会のミニペックスではお会いできませんでしたが、5月のニューヨーク展、後半だけですが参観の予定ですので、作品を拝見できるのを今から楽しみにしております。
2016-01-31 Sun 15:44 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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