内藤陽介 Yosuke NAITO
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 KEVIII
2016-01-20 Wed 11:31
 ウォリス・シンプソンとの“王冠を賭けた恋”によりわずか325日で退位した英国王エドワード8世が、1936年1月20日に即位してから、今日でちょうど80年です。というわけで、きょうはこの切手です。

      KEVIII(半ペニー)

 これは、1936年9月1日に発行されたエドワード8世の肖像を描く半ペニーの普通切手です。

 エドワード8世とウォリスとの関係は、エドワードが皇太子時代の1931年頃から始まっていましたが、ウォリスを夫のアーネストと離婚させて妃として迎え入れようとするエドワードに対しては、王室内外から強い反発がありました。

 1936年1月20日、ジョージ5世の死崩御に伴い、エドワードは独身のまま“エドワード8世”として王位を継承しましたが、その後もウォレスとの関係は継続。それどころか、ウォリスを“ただの友人”として扱おうとする王室関係者に反発したエドワードは、これ見よがしにウォリスと同年8-9月に王室所有のヨットで海外旅行に出かけたり、ペアルックのセーターで公の場に登場したりしたほか、パーティーの席上で、ウォリスの夫アーネストに対して「さっさと離婚しろ」などと恫喝した挙句に暴行を加えるなどといった騒ぎまで引き起こします。
 
 こうしたなかで、10月27日、ウォリスの離婚が成立。制度的にウォリスの結婚が可能となったエドワードは「私は愛する女性と結婚する固い決意でいる」というラジオ演説を行うべく準備を始めましたが、その内容に激怒したボールドウィン首相は「政府の助言なしにこのような演説をすれば、立憲君主制への重大違反となる」と国王に進言。1936年11月、国王の個人秘書のアレグザンダー・ハーティングを通じて、「王とシンプソン夫人との関係については、新聞はこれ以上沈黙を守り通すことはできない段階にあり、一度これが公の問題になれば総選挙は避けられず、しかも総選挙の争点は、国王個人の問題に集中し、個人としての王の問題はさらに王位、王制そのものに対する問題に発展する恐れがあります」という文書を手渡し、王位からの退位を迫りました。

 このため、国王は退位を決意し、12月10日、エドワード8世退位の詔勅と、弟のヨーク公がジョージ6世として即位することが正式に発表されました。ちなみに、生前、ジョージ5世は「自分が死ねば、1年以内にエドワードは破滅するだろう」と言い残していましたが、はたして、エドワード8世の在位期間は325日で終わってしまいました。

 1936年9月にエドワード8世の切手が発行されてから退位までの間はわずか3カ月しかありませんので、在位期間中の使用例で気の利いたものを探そうとするとかなり苦労します。僕の手元にも、何通か、エドワード8世の切手を貼ったカバーはあるのですが、いずれも退位後の使用例なので、いずれ、在位期間中のモノも手に入れなければ…と考えています。


 ★★★ 展示イベントのご案内 ★★★

 第7回テーマティク出品者の会切手展 1月17-20日(日ー水。ただし、18日は休館)
 於・切手の博物館(東京・目白)

 テーマティク出品者の会は、テーマティクならびにオープン・クラスでの競争展への出品を目指す収集家の集まりで、毎年、全国規模の切手展が開催される際には作品の合評会を行うほか、年に1度、切手展出品のリハーサルないしは活動成果の報告を兼ねて会としての切手展を開催しています。僕も、昨年の香港展に出品した香港の歴史のコレクションを展示します。入場は無料ですので、ぜひ、遊びに来てください。(詳細はこちらをご覧ください)

 ★★★ 内藤陽介の新刊  『ペニー・ブラック物語』 のご案内 ★★★ 

       ペニーブラック表紙 2350円+税

 【出版元より】
 若く美しい女王の横顔に恋しよう!
 世界最初の切手
 欲しくないですか/知りたくないですか

 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。

 発売元の特設サイトはこちら。ページのサンプルもご覧いただけます。

 ★★★ 内藤陽介の新刊  『アウシュヴィッツの手紙』 のご案内 ★★★ 

       アウシュヴィッツの手紙・表紙 2000円+税

 【出版元より】
 アウシュヴィッツ強制収容所の実態を、主に収容者の手紙の解析を通して明らかにする郵便学の成果! 手紙以外にも様々なポスタルメディア(郵便資料)から、意外に知られていない収容所の歴史をわかりやすく解説。

 出版元のサイトはこちら。各書店へのリンクもあります。

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