内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界の国々:ウルグアイ
2016-01-21 Thu 09:59
 アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2016年1月20日号が先週発行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はウルグアイの特集です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      ラプラタ沖海戦70年

 これは、2009年に発行されたラプラタ沖海戦70周年のシートで、英海軍の3船(上から、エイジャックス、アキリーズ、エクゼター)を描く切手が収められているほか、余白にはドイツ側の戦艦アドミラル・グラーフ・シュペーが描かれています。

 1939年9月1日、ドイツ軍がポーランドに侵攻して第二次欧州大戦が勃発すると、欧州から遠く離れたウルグアイは局外中立を宣言したものの、基本的には親英米の立場を取っていました。

 ところで、第二次大戦が勃発した当時のドイツの海軍力は英国に比べて劣っていたため、開戦後の1939年9月24日、ドイツは、戦艦アドミラル・グラーフ・シュペーならびにドイッチュラントを用いて大西洋ならびにインド洋で通商破壊戦を開始します。

 これに対して、英海軍は大西洋からインド洋にかけて5つの部隊を配備し、ドイツの通商破壊艦を捜索していました。その結果、アドミラル・グラーフ・シュペーが、ウルグアイとアルゼンチンの国境を流れるラプラタ川の河口沖合へ向かうと予測したイギリス海軍は、12月12日、エクゼター、エイジャックス、アキリーズを同地に集結させます。

 翌13日、英独両軍はほぼ同時に互いの存在を確認。まず、アドミラル・グラーフ・シュペーが、本国からの敵戦艦との交戦禁止命令を破って砲撃を開始すると、イギリス艦隊も応戦。その結果、アドミラル・グラーフ・シュペーの砲撃により、大きな損害を受けたエクゼターは後退しました。

 一方、アドミラル・グラーフ・シュペーも燃料系統に損傷を受けたため戦場を離脱し、翌14日、中立国ウルグアイの港であるモンテヴィデオに入港します。

 国際法では中立国の港に停泊できるのは原則として24時間以内ですが、その国の同意があれば期間の延長は可能でした。このため、ドイツ側は1週間の停泊を希望しましたが、ウルグアイは親英的中立の立場から、72時間しか停泊を認めませんでした。

 この間、英海軍は2隻の軽巡洋艦でラプラタ川河口を封鎖。フォークランド諸島から重巡洋艦カンバーランドを呼び寄せるとともに、空母を含む有力なイギリス艦隊が集結中とのニセ情報を流します。

 このため、退去期限の12月17日18時、アドミラル・グラーフ・シュペーはモンテヴィデオ港を出港しましたが、英国に拿捕されることを避けるため、ハンス・ラングスドルフ艦長は自沈を決断。艦長自身も2日後の19日に拳銃で自決。こうして、英国は、第二次大戦の勃発後はじめての勝利を収めました。

 さて、『世界の切手コレクション』1月20日号の「世界の国々」では、今回ご紹介したラプラタ沖海戦関連のマテリアルのほか、第1回サッカー・ワールドカップ関連のマテリアル、タンゴの名曲「ラ・クンパルシータ」、メリノウール、街頭のキャラメル売り紀宮清子内親王のウルグアイご訪問の切手などもご紹介しています。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧ください。

 なお、僕が担当する「世界の国々」は、次回は1月20日発売の1月27日号でのセントヴィンセント(3回目)の特集になります。こちらについては、来週以降、このブログでもご紹介する予定です。


 * 17日より東京・目白の切手の博物館で開催されていた第7回テーマティク出品者の会切手展は、昨日(20日)17:00、無事終了いたしました。ご参観いただきました皆様、ご出品者ならびにご尽力いただきました関係者の皆様には、この場を借りして、あらためてお礼申し上げます。

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