内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界の国々:アンティグア・バーブーダ
2016-02-10 Wed 08:55
 ご報告が遅くなりましたが、アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2016年2月3日号が発行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はアンティグア・バーブーダの特集です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      バーブーダ加刷

 これは、1922年に発行された“バーブーダ加刷”切手です。

 現在のアンティグア・バーブーダ国家を構成するアンティグア島とバーブーダ島は、いずれも、1493年、クリストファー・コロンブスの第2次航海で“発見”されました。

 このうち、バーブーダ島は、1680年、イギリスのクリストファー・コドリントンとジョン・コドリントンが上陸して以来、コドリントン家の私有財産としてプランテーションが経営されていましたが、1834年、アンティグア島を含む全英領で奴隷が廃止されると、次第に経済は衰退。1860年にはコドリントン家によるバーブーダ島の経営が終焉を迎え、同島はイギリス政府によって併合され、アンティグア島と一括して英領植民地の“アンティグア”が成立します。これを受けて、1862年7月1日には“アンティグア”として最初の切手が発行されると、バーブーダ島でもこの切手が使われるようになりました。

 その後、1890年、アンティグアを含む英領リーワード諸島として共通の切手(以下、共通切手)が発行されると、英領アンティグアとしての独自の切手の発行は一時的に停止されましたが、1903年、共通切手と別に各植民地で独自の切手を発行することが認められ、英領アンティグア切手が復活。以後、1956年まで、バーブーダ島を含む英領アンティグアでは、アンティグア切手と共通切手が併用される事態が続きます。
 
 ところで、アンティグア島に比べて人口が少ないバーブーダ島では、アンティグア切手と共通切手で島内の郵便需要を賄うことは十分に可能で、独自の切手を発行する必要性はありませんでした。ところが、1922年、突如、リーワード諸共通切手に“BARBUDA”の文字を加刷した切手が発行されました。今回ご紹介の切手はその一例です。

 加刷切手が発行された理由は明らかにされませんでしたが、外貨獲得の手段として、海外の切手収集家向けに輸出するためのものであったと推測されています。ただし、共通切手への加刷はこの1回のみで、その後は、1968年まで、バーブーダ島でもアンティグア切手と共通切手が併用される時代が続きました。

  さて、『世界の切手コレクション』2月3日号の「世界の国々」では、今回ご紹介の切手のほか、英領アンティグアの郵便史についての概説コラムのほか、ナポレオン戦争時の史跡であるマルテロー・タワーや20世紀を代表するクリケット選手の一人、アイザック・ヴィヴィアン・アレクサンダー・リチャーズ、バーブーダ島とアンティグア島を結ぶフェリーの切手などもご紹介しています。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧ください。

 なお、僕が担当する「世界の国々」は、次回は本日発売の2月17日号でのパキスタンの特集になります。こちらについては、2月17日以降、このブログでもご紹介する予定です。

 
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この記事のコメント
#2420 加刷切手
昔から、加刷切手に興味を持っています。
日本の軍事、支那字入り、朝鮮字入り、中国の臨時中立、中華民国加刷です。今回この加刷切手の詳しい内容を紹介して頂き感謝しております。ありがとうございます。
2016-02-10 Wed 14:48 | URL | 渡辺 達夫 #QSVbZ7ek[ 内容変更] | ∧top | under∨
・渡辺 達夫 様

 加刷切手は面白いですよね。これからもボツボツ取り上げていきたいと思いますので、よろしくお付き合いください。
2016-02-13 Sat 19:10 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
#2448 承認待ちコメント
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2017-06-25 Sun 08:56 | | #[ 内容変更] | ∧top | under∨
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