内藤陽介 Yosuke NAITO
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 スティール・パン
2016-02-12 Fri 18:19
 トリニダード・トバゴの首都ポートオブスペインで、現地時間の10日、日本人女性の遺体が見つかった事件で、昨日(11日)、遺体は札幌出身のスティール・パン奏者、長木谷麻美さんであることが確認されました。謹んでご冥福をお祈りしつつ、この切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      トリニダード・スティールパン
 
 これは、1968年にトリニダード・トバゴで発行されたカーニヴァルの切手のうち、スティール・パンを演奏するスティール・バンドを取り上げた1枚です。

 1797年に英領となったトリニダード島ならびに1802年に英領となったトバゴ島では、19世紀を通じて、プランテーションの労働力として連れてこられたアフリカ系の奴隷とその子孫(以下、黒人)が劣悪な環境に置かれていました。彼らは、カーニヴァルの時期になると、祭りの高揚した雰囲気の中で暴動を起こすことが多かったため、1880年、植民地当局は暴動を防止するためとして、金属の棒を用いるパーカッション音楽を全面的に禁止します。

 このため、黒人たちは竹の棒を叩いて音を出すタンブー・バンブーを使用するようになりましたが、1937年、植民地当局はこれも禁止してしまいます。
 
 こうした中、1939年、ウインストン・スプリー・サイモンがぼろぼろになったドラム缶を直そうとしていた際、叩く場所によって音が違っていることに偶然気付き、現在のスティールパンの元となる楽器“ピンポン”を作り出したと言われています。

 その後、スティール・パンはトリニダード・トバゴのカーニヴァルに欠かせない楽器として定着。1962年の独立後、トリニダード・トバゴ政府は先進国への移民を奨励したことで、移民たちによりスティール・パンが諸外国にも知られるようになったほか、多くのスティール・バンドが北中米を中心に演奏ツアーを行ったことで、世界的に有名になりました。広く世界中にその存在が知られるようになりました。わが国では、1980年に郷ひろみの「セクシー・ユー」で使用されたことで、一般にその存在が認知されるようになったといわれています。

 なお、現在、スティール・パンは、“20世紀に発明された、最後にして最大のアコースティック楽器”と呼ばれており、1992年には、トリニダード・トバゴ政府により、同国の“国民楽器”として正式に認定されています。
 
 
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