内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ピープル・パワー革命30年
2016-02-25 Thu 15:37
 フィリピンでフェルディナンド・マルコス独裁政権が崩壊し、コラソン・アキノ(コリー)政権が成立した“ピープル・パワー革命”から、きょう(25日)で、ちょうど30年です。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      フィリピン・ピープルパワー革命

 これは、革命から1ヶ月後の1986年3月25日に発行された小型シートで、アキノ大統領、ラウレル副大統領の肖像と、革命の群集がデザインされています。

 1965年に大統領に就任したマルコスは1972年9月21日に戒厳令を布告。従来の憲法を停止し、翌1973年には大統領職と首相職を兼任することを認める新憲法を制定するなど、次第に独裁傾向を強めていきました。こうした中で、野党政治家に対する弾圧も強化され、野党の有力政治家だったベニグノ・アキノ(ニノイ)は、政府転覆の陰謀と武器の不法所持、殺人などで逮捕され、1977年に死刑宣告を受けています。ただし、マルコス政権も、国民的な人気のあったニノイを実際に処刑することはできず、1980年、米国で手術を受けさせるとの名目で、彼を国外追放処分にしました。韓国の金大中を連想させるエピソードですな。

 米国でも、ニノイはフィリピン民主化運動の闘士として反マルコス運動の先頭に立っていましたが、1983年8月21日、逮捕覚悟で帰国したところ、飛行機を降りた直後に暗殺されました。暗殺事件の容疑者としては、国軍参謀総長のファビアン・ベール大将らが容疑者として起訴されたものの、1985年には無罪判決が下ったことで、国民の反マルコス感情が爆発。反政府デモが頻発したことで社会情勢は不安定になり、海外からの闘士も激減してフィリピン経済は低迷することになります。

 こうした状況の中で、国民の不満を解消し、あわせて国際社会からの非難をかわすため、マルコスは任期半ばの1986年初頭に大統領選挙を行うことを発表。この選挙には、マルコスの対抗馬として、野党候補としてコリーが立候補し、徹底的な反マルコス・キャンペーンを展開しました。

 投票は2月7日に行われ、民間の選挙監視団体“自由選挙のための全国運動”や公式な投票立会人らが「アキノが約80万票差で勝利した」と発表したにもかかわらず、マルコスの影響下にあった中央選挙管理委員会の公式記録では「マルコスが160万票の差で勝利した」と発表。この露骨な開票操作に対しては、野党のみならず、カトリック教会や米国もマルコス政権を非難。多くの国民がこれに同調し、フィリピン国内各地ではコリーのシンボルカラーであった黄色のシャツを着た人々による反マルコスデモが沸き起こりました。

 さらに、2月22日、エンリレ国防相やフィデル・ラモス参謀長ら軍首脳もマルコスから離反したことで、米国もマルコスを完全に見放しました。その後、同月25日、コリーが大統領就任宣誓を行い、マルコス夫妻は多くのマニラ市民に包囲されたマラカニアン宮殿から、米軍のヘリコプターで脱出し、マルコス政権は崩壊しました。

 ちなみに、ピープル・パワー革命が起きた当時、僕は卒業間近の高校3年生でしたが、マルコスが失脚して、主不在となったマラカニアン宮殿から、イメルダ夫人の大量の靴が出てきたときの映像は未だに鮮明に記憶に残っています。


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