内藤陽介 Yosuke NAITO
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 モロッコ独立60年
2016-03-02 Wed 12:56
 1956年3月2日にフランス保護領だったモロッコがフランスと独立協定を調印し、正式に独立してから、今日でちょうど60年です。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      モロッコ・独立1周年

 これは、1957年3月2日にモロッコで発行された独立1周年の記念切手で、モロッコのスルターン、ムハンマド5世の肖像が取り上げられています。

 切手に取り上げられたムハンマド5世は、1909年、スルターン、ユースフ・ベン・ハサンの末子として生まれ、1927年、父の崩御によりスルターンとして即位しました。

 第二次世界大戦中の1940年、フランスがドイツに降伏すると、当初、モロッコはヴィシー政権の支配下に置かれましたが、1942年に連合軍がモロッコに上陸し、自由フランスがモロッコを奪還。その後、1943年1月にはカサブランカでチャーチルとルーズヴェルトの首脳会談が開催されたほか、同年6月にはルーズヴェルトとムハンマド5世が会談。ムハンマド5世は、ルーズヴェルトに対してモロッコ独立運動への理解を求めました。

 これを機に、1930年代以来の独立運動が活発化。このため、大戦後の1947年、フランス第四共和政は妥協策として共同主権案を提示しましたが、事態は沈静化しなかったため、1953年8月20日、フランス当局は独立派のシンボルとなっていたムハンマド5世を廃位してコルシカに追放。後継スルターンには、ムハン5世の親戚で親仏派のムハンマド・ベン・アーラファを擁立しました。しかし、このことはモロッコ人の憤激を買い、モロッコ各地で反仏武装闘争が本格化。このため、フランスはムハンマド5世をモロッコからより遠ざけるため、1954年にはマダガスカルに追放しましたが、そうした対応は、モロッコ人の反仏感情をさらに刺激することになりました。

 結局、1954年にはディエン・ビエン・フーの戦いでフランスが敗北し、仏領インドシナが解体されたこともあって、フランスはモロッコ問題でも譲歩を余儀なくされ、1955年10月30日、フランスはムハンマド5世の復位を認め、ムハンマド・ベン・アーラファは退位。11月16日に帰国したムハンマド5世は、2日後の18日、“モロッコの将来”について演説し、モロッコ独立の方針を明らかにしました。

 その後、フランスとの交渉を経て、1956年3月2日、独立協定が調印され、モロッコは独立を回復します。今回ご紹介の切手は、ここから起算して1周年になるのを記念して発行されたものです。

 その後、ムハンマド5世は前年(1955年)の帰国直後、“モロッコの将来”について演説してから1周年にあたる1956年11月18日に正式な“独立宣言”を発しました。現在のモロッコ政府は、この日付を“独立記念日”として採用しています。

 ちなみに、独立時のモロッコの君主の称号は“スルターン”でしたが、1957年8月14日に王制が宣言されてムハンマド5世は“モロッコ国王”となり、切手の国名表示も、今回ご紹介の切手にみられるような“モロッコ”から“モロッコ王国”に変更されました。

 
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