内藤陽介 Yosuke NAITO
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 台北の陸軍記念日
2016-03-10 Thu 15:40
 1945年に昭和の戦争で日本が負けるまで、1905年3月10日、日露戦争の奉天会戦で日本軍が勝利し、奉天(現在の瀋陽)を占領したのを記念して、翌1906年以降、毎年3月10日は陸軍記念日でした。というわけで、きょうはこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      台北・陸軍記念日特印

 これは、1935年、日本統治時代の台湾・台北で使用された“日露戦役三十周年陸軍記念日”の特印で、奉天城をバックに、星型の陸軍徽章と円形の日露戦争従軍記章が並べて描かれています。この特印は、1935年3月10-13日、台湾でも日本内地と同図案のモノが使用されました。

 日露戦争時の台湾総督・児玉源太郎は、1898年の総督着任以来、1906年に亡くなるまで総督としての地位を維持し続けましたが、実際には、日本政府・軍の要職を兼任することが多かったため、台湾には不在のことが多く、台湾統治の実務の相当部分は、台湾総督府民政局長(後に民政長官に改称)の後藤新平が取り仕切っていました。

 すなわち、 1900年12月-1902年3月には陸軍大臣を兼任。さらに、1903年7月には、台湾総督のまま、内務大臣(9月まで)、文部大臣(9月まで)を兼任しており、同年10月、対露戦の計画を立案していた陸軍参謀本部次長の田村怡与造が急死すると、参謀総長・大山巌から特に請われ、降格人事でありながら内務大臣を辞して参謀本部次長に就任。さらに、日露戦争のため新たに満州軍が編成されると、その総参謀長を務め、遼陽会戦、沙河会戦、黒溝台会戦、奉天会戦などで総司令の大山巌を補佐しました。また、奉天会戦で日本軍が勝利すると、(台湾ではなく)東京へ戻り戦争終結の方法を探るよう具申。これにより、日露講和の準備が始められることとなりました。さらに、日露戦争後は、陸軍参謀総長に就任したほか、南満洲鉄道株式会社創立委員長も兼務しています。

 一方、総督不在の台湾では、日露開戦を控えた1904年1月5日、基隆と澎湖島の要塞海正面堡塁砲台の射撃準備が発令され、月内に準備が完了。さらに、2月10日に宣戦布告の詔勅が発せられた後は基隆・澎湖島港湾に水雷が沈設されました。その後、1904年末、ロシアのバルチック艦隊が日本に向けて航海しているとの情報が報じられるようになると、台湾でも緊張が高まり、奉天会戦後の1905年4月13日には澎湖島で、5月12日には台湾本島で戒厳令が布かれました。しかし、実際には、5月27日の日本海海戦でバルチック艦隊が事実上壊滅したことから、台湾における戦争の脅威はなくなり、9月5日の講和条約調印よりも2カ月近く前の7月7日、戒厳令は解除されています。
 
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