内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ブリュッセルで連続テロ
2016-03-22 Tue 22:26
 ベルギーの首都、ブリュッセルの近郊にあるフラームス=ブラバント州ザベンテムのブリュッセル国際空港と市内中心部の地下鉄マールベーク駅で、22日朝(日本時間同日夕)、連続してテロとみられる爆発が起き、この記事を書いている時点で、空港では11人、地下鉄駅で15人が亡くなったほか、2カ所で130人以上が負傷しました。というわけで、きょうは、この切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ベルギー・サベナ40年

 これは、1963年にベルギーが発行したベルギー・サベナ航空40周年の記念切手で、今回の事件現場となったブリュッセル空港の上空を飛ぶサベナ航空機が描かれています。サベナ航空は、1923年、ベルギー本国とベルギー領コンゴとを結ぶ国営航空会社として設立されました。実際にブリュッセル=コンゴの間の運航が始まったのは1935年ですが、切手は会社設立から起算して発行されています。なお、サベナ航空は、経営の悪化により、2001年11月7日、全ての運航を停止。その後、同社の機材や路線の一部は、SNブリュッセル航空が引き継いだものの、2007年、同社はヴァージン・エキスプレスと合併し、現在はブリュッセル航空となっています。

 さて、ブリュッセルの空港は、当初、ブリュッセル首都圏北東端のハーレンに置かれていました。第二次大戦中の1940年、ベルギー全土を占領したナチス・ドイツは、ハーレンの空港が手狭だったため、ザベンテムとメルスブロークにまたがる600ヘクタールの土地を接収し、メルスブローク側に3本の滑走路を建設しました。

 1944年9月3日、ベルギーは連合国によって解放され、ドイツ軍が建設したメルスブロークの空港施設は英軍の管理を経て、ベルギーに引き渡されます。これを受けて、ベルギー当局は首都の空港機能をハーレンからメルスブロークに移すことを決定。新たな空港建物の建設と滑走路の拡張を経て、1948年7月20日、メルスブローク空港に国際空港が開港しました。

 しかし、1948年の新空港開港後も空港関連施設の建設が相次ぎ、メルスブローク空港も手狭になったため、ベルギー政府は、1956年4月、隣接するザベンテム側の敷地に新空港を建設することを決定。工事は1957年4月に始まり、翌1958年にブリュッセルで開催された万国博覧会にあわせて、同年7月5日に開港しました。これが、今回の事件現場となった現在のブリュッセル国際空港です。ちなみに、ブリュッセル万博の会期は1958年4月17日から9月19日まででしたので、ザベテンテムの国際空港は万博初日には間に合わなかったものの、なんとか、会期中には開港を間に合わせたという格好となりました。

 なお、ザベンテムでの空港開港に伴い、メルスブローク側の滑走路と空港施設は、ベルギー空軍の基地として利用されるようになり、現在に至っています。また、ザベンテムとメルスブロークは隣接していることから、この地域一帯の空港開発が始まったことをもって、現在のベルギー国際空港のルーツとする考え方もあり、その場合、ブリュッセル国際空港の開港をナチス占領時代の1940年とすることもあるようです。

 現在、事件の影響でブリュッセル国際空港は閉鎖されていおり、運航再開のめどは立っていないようです。あらためて、亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、負傷された方々には心よりお見舞い申し上げ、一日も早い運航再開をお祈りしております。


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