内藤陽介 Yosuke NAITO
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 プリムの祭日
2016-03-23 Wed 18:43
 きょう(24日)は、ユダヤ暦では5776年アダル月14日、プリム(プーリームとも)の祝祭の日です。というわけで、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      イスラエル・プリム(1976)

 これは、1976年にイスラエルで発行されたプリムの切手3種を収めた小型シートです。

 『旧約聖書』「エステル記」によれば、紀元前538年、ユダヤ人はペルシャ帝国によってバビロン捕囚から解放されましたが、その後も、エルサレムに帰還せず、ペルシャ帝国の領内に残ったユダヤ人も少なからずいました。そうした中で、ユダヤ人のモルデガイは、養女のエステルを、彼女がユダヤ人であることを隠したまま、王妃としてペルシャのアハシュエロス王(クセルクセスとも)に嫁がせていました。

 その後、アハシュエロス王の宰相ハマンに対して、敬虔なユダヤ教徒であったモルデガイが敬礼を拒否する事件が発生。これに怒ったハマンは、モルデガイのみならず帝国内のユダヤ人を全員殺害するという勅書を送ります。なお、虐殺の日付は、くじ(プル)によってユダヤ暦のアダル月13日と決められました。

 このため、エステルは決死の覚悟で王に自分がユダヤ人であることを明かし、勅書の取り消しを求めます。これを受けて、王はハマンを処刑し、モルデカイは高官に取り立てられることになりました。

 このエピソードに倣い、ユダヤ人の間では、(毎年)アダル月14日を“ユダヤ人が敵をなくして安らぎを得た日”として、宴会を開いてその日を楽しみ、贈り物を交換することが習慣として定着し、現在に至っているというわけです。

 今回ご紹介の小型シートには、左から「エステル記」の一節とその内容に合わせたイラストが描かれた切手が収められています。物語としては、右→中→左の順で展開されており(やはり、ヘブライ語が右から左へ書くということを意識しているのでしょう)、その具体的な文言の日本語訳は以下の通りです。

 ・右の切手(「エステル記」第1章1-3節) アハシュエロス王が首都スサで、その国の位に座していたころ、 その治世の第3年に、彼はその大臣および侍臣たちのために酒宴を設けた。ペルシャとメデアの将軍および貴族ならびに諸州の大臣たちがその前にいた。

 ・中央の切手(同第2章16-17節) エステルがアハシュエロス王に召されて王宮へ行ったのは、その治世の第7年の10月、すなわちテベテの月であった。 王はすべての婦人にまさってエステルを愛したので、彼女はすべての処女にまさって王の前に恵みといつくしみとを得た。王はついに王妃の冠を彼女の頭にいただかせ、ワシテに代って王妃とした。

 ・左の切手(同第6章11節 ) そこでハマンは衣服と馬とを取り寄せ、モルデカイにその衣服を着せ、彼を馬に乗せて町の広場を通らせ、その前に呼ばわって、「王が栄誉を与えようと思う人にはこうするのだ」と言った。

 ちなみに、 プリムの宴会では、お祝いの表現として、「モルデカイに祝福あれ」と「ハマンに呪いあれ」の区別がつかなくなるまで泥酔することになっているのだとか。僕はユダヤ教徒はありませんが、二つのフレーズが区別がつかなくなるまで泥酔するのは得意なので、ぜひ、参加させてもらいたいですな。


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