内藤陽介 Yosuke NAITO
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 1962年以来の文民政権
2016-03-31 Thu 14:14
 ミャンマーで、きのう(30日)、与党・国民民主連盟(NLD)が擁立したティンチョー大統領の就任式が行われ、1962年のネ・ウィン将軍による軍事クーデター以来、54年ぶりに文民政権が発足しました。というわけで、きょうはこの切手です(画像はクリックで拡大されます)

      ビルマ・1962年革命10周年

 これは、ビルマ連邦時代の1972年に発行された“革命評議会10周年”の記念切手です。

 1948年の独立当初から、連邦からの独立を求める民族勢力(麻薬産業を背景とした北部シャン州と、独立志向の強いカレンなど南部諸州が中心)、中国での国共内戦に敗れた後、ビルマ北部に流入した国民党の残党、共産党勢力などが入り乱れて、政権は不安定な状態にありました。

 こうした中で、彼らとの武力闘争を経て次第に力を蓄えた国軍は、ネ・ウィン将軍の下、1962年3月2日、軍事クーデターを決行。ネ・ウィンは“ビルマ式社会主義”を掲げ、ビルマ社会主義計画党を結成。革命評議会議長に就任しました。今回ご紹介の切手は、このときの革命評議会成立から10周年になるのを記念して発行されたものです。

 その後、1974年にビルマ連邦社会主義共和国憲法が制定されると、ネ・ウィンは大統領に就任。1981年に大統領職をサン・ユに譲った後も、ビルマ社会主義計画党議長として国政に君臨しました。

 ネ・ウィンの時代、ビルマは外交面では厳正な中立政策を採り、ビルマ共産党や各地の少数民族民兵組織との内戦において、諸外国の介入を防ぐ一方、その鎖国主義的な政策の結果、ビルマ経済は停滞し、ビルマは世界の最貧国に転落します。

 このため、1988年8月には国民の不満が爆発した民主化要求デモが発生。ネ・ウィンはその責任を取るかたちで党議長を辞任しましたが、同年9月18日に政権を離反したソウ・マウン率いる軍部のクーデターにより、国家法秩序回復評議会(1997年11月、国家平和発展評議会に改組)が全権を掌握。以後、同国では2011年3月30日の民政移管まで軍事政権が続きました。

 なお、民政移管後の初代大統領に就任したテイン・セインは、中将の階級を持つ元軍人で、軍事政権下では2007年以降、首相を務めていたという経歴の持ち主であったため、純粋な文民出身の大統領としては、ティンチョー新大統領は、1964年のクーデターで失脚したウー・ヌ以来ということになるわけです。


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