内藤陽介 Yosuke NAITO
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 100年ぶりの神武天皇式年祭
2016-04-04 Mon 09:23
 きのう(3日)、1916年いらい100年ぶりとなる神武天皇式年祭が奈良県橿原市の神武天皇陵で行われました。というわけで、きょうは神武天皇がらみで、こんなモノを持ってきました(画像はクリックで拡大されます)

      愛国葉書・台北消

 これは、1937年に発行された“愛国葉書”で、印面には神武東征の神話に登場する金鵄が描かれています。今回ご紹介のマテリアルについては、日本統治下の台北で使用された「航空日本の建設は愛國切手で」との宣伝標語印が押されているのがミソです。

 1913年に創立された帝国飛行協会は、軍事とは別の民間航空の分野の発展に尽力した団体で、1930年代には募金を集めて民間飛行場の献納運動を展開していました。彼らの献納した飛行場は“愛国飛行場”と呼ばれ、旭川や釧路、桐生、高松などがその代表的なものです。

 当時、航空政策を管轄していた逓信省は、この運動に協力するため、1937年、寄付金つきの“愛国切手”3種と今回ご紹介の愛国葉書を発行しました。なお、当初は4月29日の天長節(天皇誕生日)にあわせての発行が予定されていましたが、3月31日に衆議院が解散され、4月30日に総選挙が行われたため、実際の発行は6月1日までずれ込んでいます。


 愛国葉書には、額面2銭に対して3銭の寄付金をつけられており、我国最初の寄付金付葉書です。印面に金鵄が描かれたのは、航空というキーワードに引っ掛けて、最も“愛国”にふさわしい題材と判断されたからと思われます。

 『日本書紀』には、即位2年前の戊午年12月丙申の日(12月4日)、東征途上の神武天皇が大和の豪族・長髄彦と戦った際、金色のトビが天皇の弓の先に止まり、その光に目がくらんだ長髄彦の軍を天皇側が討伐したとの記述があります。ここから、金色のトビである金鵄は神武天皇の勝利を象徴する重要なシンボルとなり、それにちなんで、軍人に対する栄誉として金鵄勲章が制定されたことは周知のとおりです。

  さて、常々申し上げていることですが、天孫降臨や神武東征などの記紀神話は、それがそのまま歴史的事実であるとは考えられません。ただし、そういうレベルでいえば、『聖書』の記述にも歴史的事実としては認めがたい部分が多々あるわけで、欧米のキリスト教世界で(信じるか信じないかは別の問題として)『聖書』の物語をたしなみとして国民に教えているのであれば、わが国でも民族の物語としての記紀神話を国民の大半が常識として共有しているのが本来の姿だと僕は思います。

 したがって、僕に言わせれば、歴史の授業ではなく、国語の授業でこそ、小学生のうちから徹底的に記紀神話を教え込むべきだと思うのですが、そういうことを言うと、左巻きの人たちは「戦前の皇国史観が大日本帝国の侵略戦争を支える役割を果たした」などと主張して反対するんでしょうな。困ったものです。


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この記事のコメント
#2437 愛国切手・葉書
検索から失礼いたします。愛国切手の経緯についてはいささか調べたことがあります。お手間をとらせて失礼ですが、下記をご参照いただければ幸いです。
http://www.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/ses/eiichi.html
http://www.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/hansen/aikokukitte.html

私見ですが、この時代において、「逓信省が帝国飛行協会に協力する」という構図は考えにくいのではないでしょうか。
2017-02-02 Thu 00:05 | URL | 後藤斉 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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