内藤陽介 Yosuke NAITO
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 野生のトラ、100年ぶりに増加
2016-04-11 Mon 23:20
 WWF(世界自然保護基金)は、きのう(10日)、野生のトラの個体数が100年ぶりに増加したことを発表しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      インド・ジム・コルベット生誕100年

 これは、1976年、インドが発行したジム・コルベット生誕100年の切手で、ベンガルトラが描かれています。

 切手に描かれたベンガルトラはトラの中でも最大級の体格を誇っており、成獣のオスは体長が約3m、体重は約25kg、メスは体長が約2m50cm、体重は約150kgに達します。インド・ネパールなど南アジアの針葉樹林や落葉樹林、湿地、乾燥した森林などに分布しており、メスとその子供以外は単独で生活します。

 20世紀初頭には、野生のベンガルトラは約10万頭が棲息していましたが、開発に伴う棲息地の自然環境の破壊に加え、毛皮や骨(漢方薬で用いられるため、高値で取引されます)を目的とした乱獲により激減し、現在ではワシントン条約の規制対象となっています。

 今回ご紹介の切手発行の名目となったジム・コルベットは、1875年、英領インド帝国のナイニタル(当時はアグラ・アウド連合州、現在はウッタラーカンド州)の生まれました。このため、当初、切手は1975年に発行すべく準備が進められており、切手にも額面数字の下に1975の表示がありますが、実際の切手発行は1976年1月24日にずれ込んでいます。

 さて、コルベットは若い頃、アグラ・アウド連合州政府の依頼を受けて、人間に危害を加えるトラを数多く駆除したことで名を馳せました。しかし、1920年代以降、みずからのカメラで野生のトラの撮影をするようになってから、インドの豊かな自然の価値を再認識し、トラ狩りで得た知識を活かして、野生動物の保護に取り組むようになります。そして、アグラ・アウド連合州猟獣保護協会ならびに全インド野生動物保護会議の設立に尽力したほか、デリー北東200km、サブヒマラヤ帯の標高400-1200mの丘陵地帯に、インド最初の国立公園として“ハイリー国立公園”を創設するうえで指導的な役割を果たしました。1947年にはインドを離れ、1955年、英領ケニアで亡くなりましたが、没後の1957年、インド政府は彼の功績をたたえて、ハイリー国立公園を“ジム・コルベット国立公園”と改称しました。

 さて、WWFによると、1910年から2010年までの100年間に、野生のトラは密猟と自然破壊が主な原因で97%減少。2010年の時点では3200頭にまで落ち込みましたが、インド、ロシア、ネパールなどでの保護活動が実を結び、直近のデータでは3890頭が観測されたというわけです。

 WWFは2022年の寅年までに個体数の倍増を目標としており、今後は、密猟と森林伐採が激しい東南アジアでの保護活動の強化が焦点になるとのこと。タイマレーにはトラの名品切手もあることですし、今後の成果に注目したいところですな。


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