内藤陽介 Yosuke NAITO
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 最長独裁政権、さらに延長
2016-04-28 Thu 17:47
 今月25日に大統領選挙が行われたアフリアの赤道ギニアで、きょう(28日)、1979年以来、世界最長の政権を維持し続けているテオドロ・オビアン・ンゲマ(以下、ンゲマ)大統領の当選が正式に発表されます。というわけで、きょうはこの切手です。

      赤道ギニア・革命2周年(ンゲマ)

 これは、1981年に赤道ギニアが発行した“革命2周年”の記念切手で、当時のンゲマの肖像が取り上げられています。

 スペイン領赤道ギニアは、住民投票の結果、1968年10月12日、赤道ギニア共和国として独立し、急進左派のマシアス・ンゲマ(以下マシアス)が初代大統領に就任しました。

 マシアス政権は親ソ政権として、共産圏諸国に倣った閉鎖的・強権的な国家建設を進め、1970年には与党・労働国民統一党以外の政党を禁止。1972年7月にはみずから終身大統領を宣言し、独裁体制を固めます。また、アフリカ化政策を推進し、地名の変更(たとえば、フェルナンド・ポー島はビオコ島に改称されました)を進める一方、反政府勢力とみなした国民を容赦なく粛清。特に、ブビ人に対する迫害・虐殺政策は苛烈を極め、恐怖支配を逃れて国民の3分の1が国外へ亡命するなど、“アフリカのアウシュヴィッツ”と恐れられました。

 1979年に入るとマシアスは親族の粛清も開始したため、身の危険を感じた甥で陸軍中佐のンゲマは、同年8月3日、クーデターを敢行。ンゲマを最高軍事評議会議長(国家元首)とする軍事政権が樹立され、逮捕されたマシアスは、9月29日に処刑され、翌10月、ンゲマが大統領に就任し、現在まで続く超長期政権が開幕します。

 1982年の民政移管後もンゲマは大統領職に留任し、1987年、一党独裁の政権党として赤道ギニア民主党(以下PDGE)を結成。1989年、独立後初の大統領選挙で“信任”されました。

 これに対して、旧宗主国のスペインをはじめ西側諸国はンゲマ政権に民主化を要求したため、1991年11月、複数政党制を認めた新憲法が制定されたものの、大統領の独裁的な権限は温存されていたため野党勢力は反発。1996年2月の大統領選挙は、野党のボイコットにより、ンゲマが得票率99%で4選を果たしました。

 ンゲマ政権は、2002年12月に5選、2009年11月に6選を果たしていますが、過去の大統領選挙でのンゲマの得票率は、いずれも95%を超えており、選挙の公正性については疑問視されているものの、国内の政権批判は完全に封じ込められています。ちなみに、赤道ギニアには日刊紙を発行する新聞社は存在せず、テレビは国営放送のみ。唯一の民間ラジオもンゲマの息子が経営しており、メディアはこぞって、ンゲマのことを“全知全能の存在”と称賛し続けています。

 2011年には、1969年に発足したリビアのカダフィ政権が崩壊したため、この時点で、ンゲマ政権は、世襲の君主を除くと、世界最長となり、以来、現在に至るまで記録を更新中というわけです。

 その後、2012年には大統領の3選禁止(1期は7年)を定めた改正憲法が施行され、今回の大統領選挙実施となったわけですが、3選禁止の規定は、過去通算ということではなく、今回の選挙からの適用です。このため、今回の選挙で当選したンゲマは、理論上は、さらに2037年まで3期、大統領の地位を維持することが可能とされています。その場合、大統領の在任期間は58年間になりますが、これは、赤道ギニアの平均寿命、52.61歳を軽く超える数字です。なんだかなぁ。


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