内藤陽介 Yosuke NAITO
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 憲法記念日
2016-05-03 Tue 12:50
 きょう(3日)は憲法記念日です。というわけで、世界の憲法関連切手の中から、この1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      ブラジル・憲法100年

 これは、1991年10月7日にブラジルで発行された“憲法100年”の記念切手です。
 
 ブラジルの憲法は、1822年にポルトガルから独立したことを受けて制定された1824年憲法が最初です。ただし、1824年憲法の制定に際しては、当初、憲法制定議会による起草が試みられたものの、皇帝ペドロ1世によって議会が解散されたため、皇帝から授けられる欽定憲法として公布・施行されました。

 1889年11月15日、共和革命により帝政が倒れると、共和国暫定政府首班に就任したデオドロ・ダ・フォンセカは、同年12月、行政府の5人委員会と法学者のルイ・バルボーザを加えたメンバーにより、新憲法案の起草作業に着手します。その後、革命1周年の1990年11月15日を期して憲法制定議会が招集され、11月22日から議会の憲法委員会(21人委員会)での検討作業が開始されます。最終的な草案がまとまったのは1891年2月21日のことで、これを受けて、3日後の2月24日、21人委員会は憲法の公布を宣言しました。

 ちなみに、前述の通り、ブラジルの憲法としては、1891年憲法よりも前に1824年憲法が存在していますが、切手では“最初のブラジル憲法100年”との銘が入っています。これは、(正確には)共和制移行後、最初の憲法という意味で、それゆえ、切手の発行も1891年憲法から起算して100周年の1991年の発行となったわけです。また、切手の図案は憲法起草に関わった6人(5人委員会+バルボーザ)を描く絵画を取り上げたもので、中央の顎鬚の人物がダ・フォンセカ(1891年憲法下でブラジルの初代大統領に就任)、その左隣がバルボーザ、さらにその左隣の礼装姿の人物が後にフロリアーノ・ペイショト(ダ・フォンセカ政権時代の副大統領で、後に第2代大統領)です。

 1891年憲法は、バルボーザの発案によってアメリカ合衆国憲法とアルゼンチン憲法を参考にして起草されており、ブラジル国家は、“ブラジル合衆国”として、各州が独自の州憲法と州軍を保有する、地方分権的な連邦共和制国家とされました。また、貴族制度が廃止されたほか、正・副大統領の直接選挙、三権分立が定められています。

 なお、ブラジル1891年憲法では、第88条で「直接にせよ、間接にせよ、単独にせよ、他国と同盟にしてにせよ。すべて征服の戦争には参加しない」として侵略戦争の放棄が規定されています、同じく第34条では連邦議会の権限として「仲裁に訴えることが可能でなく、またはそれが成立しなかったときに戦争を宣言することを許すこと」とも規定されており、すべての戦争が放棄されているわけではありません。また、ブラジルでは、現在でも、18-45歳の男性に対して12ヵ月間の兵役義務が課せられています。

 さて、2013年の国際切手展にあわせて現地取材をしたものの、その後、諸般の事情でお蔵入りになっていたリオデジャネイロ本を作る企画が、8月の五輪開催を前に急遽復活し、現在、その制作作業を進めています。書籍のタイトルや刊行日など、詳細につきましては、追々、このブログでもご案内いたしますので、よろしくお願いします。


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