内藤陽介 Yosuke NAITO
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 リオデジャネイロ州、緊急事態宣言
2016-06-18 Sat 20:51
 ブラジルのリオデジャネイロ州政府のドルネレス知事代行は、きのう(17日)、重大な財政難に直面し公共サービス提供に懸念が生じているとして緊急事態を宣言しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ブラジル・グアナバラ州

 これは、1961年3月27日に発行された“グアナバラ州憲法公布”の記念切手です。

 ブラジルの地方制度において、現在の領域の“リオデジャネイロ州”が設定されたのは、ポルトガル植民地時代の1709年のことです。その後、1763年にリオデジャネイロ市がブラジルの首都となりますが、この時点では、ブラジルの地方行政区分に特段変更はありませんでした。

 ところが、1808年、リスボンのポルトガル宮廷がナポレオン軍を逃れてリオデジャネイロ市に移転。翌1809年、リオデジャネイロ市がポルトガル・ブラジル連合王国の首都となり、以後、1821年にポルトガルの宮廷がリスボンに帰還するまでの間、リオの開発は急速に進み、その後の繁栄の基礎が築かれます。

 1822年、ブラジルはポルトガルから独立し、リオデジャネイロ市はブラジル帝国の首都となり、1834年には、どの州にも属さない“中立都市”となりました。この結果、リオデジャネイロ州は、それまでのリオデジャネイロ市を除いた領域となり、リオデジャネイロ市に隣接するニテロイがリオデジャネイロ州の州都となります。さらに、1889年に帝政が廃止され共和制に移行した後も、リオデジャネイロ市は、引き続き、中立都市としてブラジル連邦共和国の首都となりました。

 ところが、1960年、連邦の首都がブラジリアに移転すると、リオデジャネイロ市の地位も変更を余儀なくされ、リオデジャネイロ市は単独で“グアナバラ州”となり、他の州と同格の立場となりました。今回ご紹介の切手は、これに伴い、新たにグアナバラ州憲法が公布されたことを記念して発行されたものですが、グアナバラ州の地図=リオデジャネイロ市の地図が背景に描かれています。

 その後、1975年にグアナバラ州とリオデジャネイロ州が合併し、現在のリオデジャネイロ州が発足。これに伴い、リオデジャネイロ市(=旧グアナバラ州)がリオデジャネイロ州の州都となり、現在にいたっています。

 さて、8月5日に開幕予定のリオ五輪の主催者はリオデジャネイロ市ですが、リオデジャネイロ州政府も、リオデジャネイロ市と4つの五輪関連施設を結ぶ地下鉄新路線の建設(現時点では完成していませんが…)や、治安維持、保健衛生などで、大会関係の事業支出に一定の責任を担っています。

 ところが、ブラジル経済は過去数カ月間、1930年代以降では最悪とされる減速にあえいでおり、政府統計によると、国内総生産(GDP)は今年1-3月の第1四半期に-5.4%と萎縮しています。特に、石油資源が豊富なリオデジャネイロ州は原油価格の下落で大きな打撃を被っており、州政府は、財政状況が危機的な状況に陥って「治安、医療サービスなどが崩壊しかねない」と危機感を強調し、緊急事態宣言は「リオ五輪の実施に必要な措置だ」としています。その背後には、緊急事態を宣言した州には、連邦政府が議会の事前承認なく資金を拠出できるため、資金援助を受けやすくなるという事情もあるようです。

 これに対して、リオデジャネイロ市のパエス市長は、同市の財政状態は間違いなく健全であると強調し、市が責任を負う競技施設や関連事業の多くは既に工事が終了していると主張。州の対応策と距離を置く姿勢を示していますが…。

 なお、現在、8月の五輪開催にあわせて、拙著『リオデジャネイロ歴史紀行(仮題)』を刊行すべく、制作作業を進めています。定価、刊行日などの詳細が決まりましたら、随時、このブログでもご案内いたしますので、よろしくお願いします。 


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