内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界漫郵記:リオデジャネイロ⑥
2016-07-31 Sun 14:52
 『キュリオマガジン』2016年8月号が発行されました。僕の連載「郵便学者の世界漫郵記」は前回に続き、リオデジャネイロ篇の第6回目。今回は、今週末から始まるリオ五輪の開会式会場となっているマラカナン・スタジアムにフォーカスをあてました。その記事の中から、この1点をご紹介します。(以下、画像はクリックで拡大されます) 

      ブラジル・バホーゾ生誕100年

 これは、2003年にブラジルが発行した“アリ・バホーゾ生誕100年”の記念切手で、スタジアムを背景にバホーゾの肖像が描かれています。

 マラカナン競技場は、1950年に行われたサッカーW杯のために建設されたスタジアムで、開設当初の正式名称は“リオデジャネイロ市営スタジアム”でした。

 当初、W杯用の大型スタジアムとしては、名門クラブ“ヴァスコ・ダ・ガマ”の本拠地だったサン・ジャヌアリオ・スタジアム(1927年建設。収容人員4万)の増築案も検討されましたが、1947年11月、作曲家でリオデジャネイロ市議のアリ・バホーゾらがダウンタウンにも近いマラカナン地区の競馬場跡地(デルビー)を市が買い取って新スタジアムを建設する法案を市議会に提出。これが可決され、マラカナン競技場が建設されることになりました。

 バホーゾは、1903年、ミナスジェライス生まれ。18歳で故郷を離れ、弁護士をめざしリオに移りましたが、大学在学中に音楽の才能が開花し、作曲家としても多くの歌手に楽曲を提供するようになります。作曲家としての代表作は、映画『未来世紀ブラジル』のテーマ曲として世界的にヒットした「ブラジル(原題は“ブラジルの水彩画”を意味するAquarela do Brasil」を挙げることができます。

 また、バホーゾは作曲家としてラジオ放送局とも深いつながりがあり、本人がCRフラメンゴの熱狂的なサポーターでしたから、サッカー番組のコメンテーターやフラメンゴの試合の実況中継も担当していました。その実況スタイルは、露骨にフラメンゴびいきで、その後のブラジルのサッカー中継のスタイル(コメンテーターや実況者は、どちらのサポーターであるかを明らかにしたうえで、聴衆と一体となって応援する)のモデルとなったことでも知られています。

 さて、1950年のW杯では、開催国として悲願の初優勝を目指すブラジルは、1次リーグを2勝1分で突破。決勝リーグにはブラジルの他、ウルグアイ、スウェーデン、スペインが進出したが、ブラジルは同リーグでスウェーデンを7-1、スペインを6-1の大差で破ってウルグアイとの試合に望むことになりました。

 一方、ウルグアイは、スウェーデンに勝ち、スペインには引き分けて1勝1分の成績でブラジルとの対戦を迎えます。

 運命の1950年7月16日、19万9854人の観客が見守る中、マラカナン競技場で行われたブラジル対ウルグアイの試合では、後半開始2分にフリアカのゴールでブラジルが先制。この時点で、多くのブラジル国民はブラジルの優勝を確信していましたが、ウルグアイは後半21分にスキアフィーノが同点ゴール、後半34分にギジャが逆転ゴールを決め、そのまま試合終了。この結果、ウルグアイが3大会ぶり2回目の優勝を達成しました。

 これが、いわゆる“マラカナンの悲劇”です。

 あと一歩で悲願の初優勝を逃したブラジル国民の落胆は大きく、2人がその場で自殺したほか、2人がショック死、20人以上が失神し、試合を実況していたバホーゾも「サッカーのアナウンスなどという商売はもう金輪際やるまい」と決意したとのエピソードが残されています。

 さて、かねてご案内の通り、8月9日付で、今回ご紹介した雑誌『キュリオマガジン』の連載記事に大幅に加筆して、『リオデジャネイロ歴史紀行』と題する拙著を刊行いたします。すでに、編集作業はすべて完了して印刷・製本の作業が進んでおり、8月3日頃には実物が出来上がってくる予定です。すでに、7月23日のトークイベントにてご予約いただきました皆様には、実物が出来上がり次第、ご指定の宛先にお送りいたします。また、あわせて、8月6日(土)には、東京・日本橋地区で開催の切手市場でも初売りを行う予定ですので、なにとぞよろしくお願いいたします。


 ★★★ 新作 『リオデジャネイロ歴史紀行』 初売りのご案内 ★★★ 

 ・8月6日(土) 09:00- 切手市場
 於 東京・日本橋富沢町8番地 綿商会館
 詳細は主催者HPをご覧ください。

 新作『リオデジャネイロ歴史紀行』の奥付上の刊行日は8月9日ですが、8月3日頃には現物ができあがってくるとの連絡がありました。そこで、さっそく、同書を中心に拙著を担いで行商に行きます。実物の販売は、この日が初売りとなる予定です。ぜひ遊びに来てください。


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       リオデジャネイロ歴史紀行(書影) 2700円+税

 【出版元より】
 オリンピック開催地の意外な深さをじっくり紹介
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