内藤陽介 Yosuke NAITO
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 拳銃は見せないように
2016-08-02 Tue 13:36
 米テキサス州で、きのう(1日)、一定の学生に対して大学の教室への銃の持ち込みを認める新法“キャンパスキャリー法”が施行されました。というわけで、きょうは、テキサスがらみでこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      テキサス州併合150年

 これは、1995年に米国で発行されたテキサス州150年の記念切手で、テキサス州旗を掲げて馬にまたがる男性が描かれています。カウボーイ風に描かれている男性は、フツーに考えれば、腰に拳銃をぶら下げていると思われますが、切手上ではそのことは確認できません。まぁ、今回施行されたキャンパスキャリー法でも、公立大学の教室などに拳銃を持ち込むためには、“拳銃を他人に見えないように所持するためのライセンス”が必要とされていますので、銃社会の米国と言えども、拳銃を見せないように描くというのが一つのポイントということなのかもしれません。

 かつて、スペインは北米にも広大な副王領“ヌエヴァ・エスパーニャ”を有していました。

 “新スペイン”を意味するヌエヴァ・エスパーニャは、もともとは、パナマ地峡以北の新大陸のスペイン領全てを指す概念で、大陸部分では、現在のメキシコの領域に加えて米国南西部(カリフォルニア、ネヴァダ、ユタ、コロラド、ワイオミング、アリゾナ、ニューメキシコ、テキサスの各州)とフロリダ半島にまで広がり、カリブ海諸島や、さらには、フィリピンとマリアナ諸島をも含んでいました。

 1776年、大西洋岸の東部13州で独立を宣言した米国は、1803年にはフランスからルイジアを購入。この結果、米国とヌエヴァ・エスパーニャとの国境を画定する必要が生じることにります。

 当時のスペイン側の認識では、ルイジアナのうち、ミシシッピ川西岸とニューオーリンズ市はスペイン領となっていましたが、アメリカ合衆国側はロッキー山脈の稜線までが自分たちの購入した土地だと考えていました。このため、東西はカルカシュー川(アロヨ・オンド)とサビーン川の間、南北はメキシコ湾から北緯32度近辺までは、当面、どちらにも属さない中立地帯(ルイジアナ中立地)とすることで決着が図られます。

 また、米国はスペインからフロリダを購入したいと希望していましたが、スペイン側はこれを拒否し続けていました。

 ところが、19世紀初頭のナポレオン戦争と、その余波としてのラテン・アメリカ諸国の独立運動により、スペインは疲弊し、本国から遠く離れたフロリダの維持が困難になります。そこで、1819年、両国間でアダムズ・オニス条約が結ばれ、米国がフロリダとルイジアナを得て、それ以西のテハス(英語名:テキサス)からカリフォルニアまでをスペインの領土とする形で、国境が確定されました。この境界線は、1821年にメキシコが独立すると、基本的には米墨間でも継承されています。

 ところが、1821年のメキシコ独立の前後から、米国からテハスへのアングロサクソンの移民が大量に流入。メキシコ政府は1830年には米国人の新規移住を禁止したものの、その後も米国からの“不法移民”の流入は止まず、1832年の時点では、テハスの人口のうち、独立以前からのメキシコ人住民の人口比率は14%にまで落ち込んでしまいます。

 こうした状況の下で、1835年、メキシコ大統領アントニオ・ロペス・デ・サンタ・アナが1824年憲法を廃止して、中央政府の権限が強い憲法を宣言すると、メキシコ各地でこれに反対する叛乱が発生。テハスでも、米国からの移住者たちがメキシコ中央政府からの分離独立を唱えて叛乱を起こしました。

 叛乱側は、1836年2-3月のアラモ砦の攻防戦で守備隊が全滅する敗北を喫したものの、3月21日のサン・ハシントの戦いでは、大統領を辞しメキシコ軍総司令官となっていたサンタ・アナを捕虜とし、ベラスコ条約を結んで“テキサス共和国”の独立を承認させます。

 ところで、新たに発足したテキサス共和国はリオ・グランデをメキシコとの国境と主張していましたが、メキシコ側はより北側のヌエセス川を国境と主張しており、対立がありました。

 また、テキサス共和国内では独立当初から米国との統合を求める声が強かったものの、米議会では併合慎重派が多数を占めていました。ところが、1844年の米大統領選挙で、テキサス併合を公約に掲げるジェイムズ・ポークが当選。これを受けて1845年2月、米議会は「1846年1月1日までにテキサス共和国が併合を承認すれば、州として連邦への加盟を認める」とする決議を採択します。

 これを受けて、テキサス議会は米国への併合に同意。1845年12月、米大統領ポークはテキサスを合衆国の州として受け入れる法案に署名。こうして、現在の米テキサス州が発足することになりました。


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