内藤陽介 Yosuke NAITO
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 1フレーム展
2006-07-14 Fri 23:07
 週末の15~16日の2日間、東京・目白の切手の博物館で、(財)日本郵趣協会の登録審査員による1フレーム展(難しいことをいうといろいろあるのですが、まぁ一言で言えば、切手の専門家によるミニコレクションの展示会、とお考えください)が開催されます。

 今回、僕はカスピ海西南の小国、アゼルバイジャンの切手のミニコレクションを出品しています。その中の1リーフをサンプルとして、ご紹介してみます。(画像はクリックで拡大されます)

アゼルバイジャン・リーフ

 1813年に帝政ロシアに併合されたアゼルバイジャンは、1917年のロシア革命の混乱の最中、オスマン帝国によって占領され、第一次大戦でオスマン帝国が敗れると、イギリス軍に占領されます。アゼルバイジャン人の民族主義政党ミュサヴァト(ムサヴァト、ムサワトとも)党は、これら占領軍の支援を受けて、1918年5月にアゼルバイジャン民主共和国の独立を宣言しました。しかし、1920年4月の赤軍の侵攻により、首都バクーが陥落。アゼルバイジャン民主共和国は約2年でその幕を下ろすことになります。

 この間の1919年10月、アゼルバイジャンのミュサヴァト政権は独自の切手を発行します。このときの切手(第1次切手)は同時期のグルジア切手とほぼ同じ白紙に石版で印刷されていました。その後、1920年4月にアゼルバイジャンを占領した赤軍は、廃棄されていた第1次切手の石版を再利用して、新聞用紙に印刷した切手(第2次切手)を発行します。このとき、版面の損傷により印面にさまざまなバラエティが生じたこともあり、版の構成がある程度解明されていて、パズル感覚でリコンストラクションを楽しむことができます。

 今回の展示では、ミュサヴァト政権の第1次切手と第2次切手をまとめたもので、画像のリーフ(第2次切手の60コペイカ切手をまとめたものです)のように、版面のバラエティを中心に整理してみました。

 去年・一昨年と2年にわたって雑誌『郵趣』で「月々5000円からのコレクションつくり」という連載で、実際に女性コレクターに1フレームのコレクションを作ってもらったのですが、その裏番組として、僕が個人的に作ってみたのが、今回のコレクションです。

 収集期間は約1年半(中断期間もあるので、実質1年弱でしょうか)、総コスト約5万円で、その内訳は、切手に約4万円、文献に約1万円といったところでしょうか。切手の入手先は、主としてebayとraritan stamps(ロシア関係に強いアメリカのオークション会社)です。

 今回のコレクションのそもそもの発端は、平凡社の『中央ユーラシアを知る事典』で“通信”の項目を担当した時、図版用に1920年前後のアゼルバイジャン切手のアキュムレーションをraritan stampsから手に入れたことにあります。昔のマッチのラベル風の小洒落た切手なので、なんとなく、気になっていたのですが、その後、R.J.CeresaのThe Postage Stamps of Russia, 1917-1923のアゼルバイジャンの部がebayで売りに出ていたのを見つけましたので、早速手に入れて、それを片手に、関連する文献やそのコピーを集めつつ、ポツポツ、ブロックなどを買い足していきました。この時期のアゼルバイジャンの切手は、消印データの読める使用済や実逓カバーの入手は容易ではありませんが、未使用切手は安価で容易に入手できますので、製造面に限定して、今回のようなかたちでまとめてみたというわけです。

 お金と時間をあまりかけなくとも、とりあえずリーフを丁寧に作ると、それなりに格好がつくものだという一つのサンプルとして展示していますので、見に来ていただいた方が「この程度なら自分にもできそうだから、秋の<JAPEX>に出品してみるか」と思っていただけたら、僕としては万々歳の気分です。

 なお、会期中は、<JAPEX>の審査員メンバーが常に誰かしら会場にいます。僕も、15日(土曜日)の午後2時過ぎ頃から会場にいる予定ですので、是非、お運びいただけると幸いです。
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