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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ブラジル独立記念日
2016-09-07 Wed 10:39
 きょう(7日)は、ブラジルの独立記念日です。というわけで、ストレートにこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ブラジル・イピランガの叫び

 これは、1972年8月26日から9月2日まで、ブラジル独立150周年の記念事業として開催された国際切手展<EXFILBRA>の記念小型シートで、ブラジルの独立宣言とされる“イピランガの叫び”を題材としたペドロ・アメリコの歴史絵画「独立か死か」が取り上げられています。

 1500年のカブラルによるブラジル発見以来、ポルトガルはブラジルの地で勢力を拡大し、1646年にはポルトガルの王太子をブラジル公とするブラジル公国が成立します。

 ナポレオン戦争最中の1808年、ポルトガルのブラガンザ王室はブラジルに逃れ、1821年まで王室はリオデジャネイロに留まりました。この間、1815年にはブラジルは、それまでの植民地公国からポルトガル本国と対等の王国(=ポルトガル王がブラジル王を兼ねる)に昇格し、“ポルトガル・ブラジル及びアルガルヴェ連合王国”が誕生します。

 1821年にポルトガル王ジョアン6世はリスボンに帰還しますが、その際、本人はブラジル王位を兼任したまま王太子のペドロ・デ・アルカンタラ・フランシスコ・アントニオ・ジョアン・カルロス・ザビエル・デ・パウラ・ミゲル・ラファエル・ジョアキム・ジョゼ・ゴンサガ・パスコアール・シプリアーノ・セラフィム(以下、ドン・ペドロ)を摂政としてブラジルに残しました。

 ところが、1821年に開催されたポルトガル議会では、対等な立場であるはずのポルトガル代表の議員が130人だったのに対し、ブラジル代表の議員は72人に過ぎず、さらにポルトガル政府はブラジルを再び植民地にすべく、ブラジルの各県をリスボン政府の直接管轄下に置くことを決定するとともに、ドン・ペドロの帰国を要求。これに対して、1822年1月、ドン・ペドロが帰国を拒否しまし、独立に向けての動きが本格化しました。

 6月3日には、ブラジル各県の代表から構成されるブラジル憲法制定議会が招集され、8月6日、ドン・ペドロはポルトガルの専制主義を批判する書簡を友好国に送りました。これに対して、ポルトガルはドン・ペドロの行動は国家反逆罪に値すると非難。その旨の書簡をドン・ペドロ宛に送ります。

 そして、9月7日、サンパウロ訪問中にこの書簡を受け取ったドン・ペドロは、サントスのイピランガ川のほとりで書簡を破り捨て、剣を高く掲げて「独立か死か」と叫んだとされています。これが、“イピランガの叫び”で、ブラジルの公式な独立宣言とされています。その後、10月12日、ドン・ペドロはリオデジャネイロでブラジル皇帝ペドロ1世として即位し、ブラジル帝国が成立しました。

 なお、1822年から始まる帝政時代のブラジルについては、拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』でもいろいろご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


★★★ トークイヴェントのご案内 ★★★

 拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』の刊行を記念して、東京・青山の駐日ブラジル大使館で下記の通り、トークイヴェントを開催いたします。ぜひ、ご参加ください。

 ・日時 2016年9月23日(金)18:00~20:00(17:30受付開始)
 ・会場 駐日ブラジル大使館 セミナー・ルーム
  〒107-8633 東京都港区北青山2丁目11-12 (地図はこちらをご覧ください)
 ・参加費 無料
 ・定員 30名(申込多数の場合は先着順)

  * 9月16日(金)までに、お名前・ご連絡先・ご所属を明記の上、電子メール、ファックス等で下記宛にお申し込みください。(お送りいただいた個人情報は、大使館へ提出する以外の目的には使用しません)
  申込先 えにし書房(担当・塚田)
  〒102-0074 千代田区九段南2-2-7-北の丸ビル3F
  Tel. 03-6261-4369 Fax. 03-6261-4379
  電子メール info★enishishobo.co.jp (スパム防止のため、★の部分を半角@に変えてご送信ください)

 なお、トークヴェベント終了後、20:30より近隣のブラジルレストラン「イグアス」にて懇親会を予定しております。(イグアスの地図はhttp://tabelog.com/tokyo/A1306/A130603/13048055/ をご覧ください) 
 会費は、『リオデジャネイロ歴史紀行』1冊の代金込みで6500円(書籍不要の場合は5000円)の予定です。参加ご希望の方は、トークイベントお申し込みの際に、その旨、お書き添えください。なお、懇親会のみの御参加も歓迎いたします。


★★★ ブラジル大使館推薦! 内藤陽介の『リオデジャネイロ歴史紀行』  ★★★ 

       リオデジャネイロ歴史紀行(書影) 2700円+税

 【出版元より】
 オリンピック開催地の意外な深さをじっくり紹介
 リオデジャネイロの複雑な歴史や街並みを、切手や葉書、写真等でわかりやすく解説。
 美しい景色とウンチク満載の異色の歴史紀行!
 発売元の特設サイトはこちらです。

 * 8月6日付『東京新聞』「この人」欄で、内藤が『リオデジャネイロ歴史紀行』の著者として取り上げられました!

       リオデジャネイロ歴史紀行(東京新聞)


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