内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ダリのマリアンヌ
2016-09-14 Wed 11:29
 きょう(14日)から、東京・六本木の新国立美術館でダリ展が開催されます。というわけで、ダリの切手といえば、やはりこの1枚でしょうか。(画像はクリックで拡大されます)

      フランス・ダリ(マリアンヌ)

 これは、1979年、フランスが発行した毎年恒例の美術切手の1枚で、サルヴァドール・ダリが切手のために描きおろした“マリアンヌ”が取り上げられています。切手の下部には、ダリのサインも入っています。ダリというと、本人が“偏執狂的批判的方法 (Paranoiac Critic)”と称したように、写実的描法を用いながら、多重イメージなどを駆使して夢のような風景画を描いた作風のイメージが強いのですが、今回ご紹介の切手は、ちょっと雰囲気が違いますね。

 シュル・レアリスムの巨匠、サルヴァドール・ダリは、1904年5月11日、スペインのカタルーニャ地方フィゲーラスで、ユダヤ系とされる公証人の父と商家出身の母の間に生まれました。

 少年時代から絵画に興味を持ち、1922年、マドリードのサンフェルナンド美術学校に入学。1925年にはマドリードで初の個展を開きました。

 1927年、パリに出てパブロ・ピカソらと親交を結び、1929年、正式にシュル・レアリスト・グループに参加します。同年夏、シュル・レアリスムの詩人、ポール・エリュアールの妻でカザン出身のユダヤ人、ガラ(本名:レナ・イヴァノヴナ・ディアコノワ)と知り合います。その後、ダリはガラと恋愛関係に陥り、1932年、ガラはエリュアールと離婚し、1934年、ダリと結婚しました。

 シュル・レアリスムの運動に参加した当初のダリは共産主義・社会主義にシンパシーを持っていたようですが、次第に幻滅。1936年7月、スペイン内戦が勃発すると、シュル・レアリストの多くは反フランコの立場を取りましたが、ダリは戦火を逃れ、政治闘争に巻き込まれることを拒み、フランスへ逃亡。フランコに親和的な立場を表明します。これが、シュル・レアリスムの指導者でトロツキストの詩人、アンドレ・ブルトンの逆鱗に触れ、“ファシスト的思想”を理由に、1938年、シュル・レアリスト・グループから追放されました。

 さらに、1940年、ドイツ軍がフランスに侵攻すると、ダリは米国へ逃れたため、ジョージ・オーウェルは「戦争前にはスペイン内戦からフランスに亡命し、またフランスで大変な恩恵を受けていたのに、フランスに危険が迫るやいなやネズミのように逃げる」とダリを批判しています。

 第二次世界大戦後、カタルーニャに戻ったダリはフランコ独裁政権に接近。フランコを支持する姿勢を鮮明にし、フランコと面会して彼の孫娘のポートレイトも制作したほか、カトリックに回帰し、ガラを聖母に見立てた宗教画を連作しました。

 ダリにとって、妻のガラはミューズであり、支配者であり、またマネージャーとして、彼の創作活動の源泉となっていました。今回ご紹介の切手の“マリアンヌ”の顔だちも、ガラをイメージして作られているのは明らかです。こうしたこともあって、1982年にガラが亡くなると、彼は「自分の人生の舵を失った」と激しく落ち込み、1983年5月には絵画制作も止めてしまいます。さらに、1984年、寝室でおきた火事で重症の火傷を負ったのちはフィゲラスに移り、1989年、同地で亡くなりました。

 
★★★ トークイヴェントのご案内 ★★★

 拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』の刊行を記念して、東京・青山の駐日ブラジル大使館で下記の通り、トークイヴェントを開催いたします。ぜひ、ご参加ください。

 ・日時 2016年9月23日(金)18:00~20:00(17:30受付開始)
 ・会場 駐日ブラジル大使館 セミナー・ルーム
  〒107-8633 東京都港区北青山2丁目11-12 (地図はこちらをご覧ください)
 ・参加費 無料
 ・定員 30名(申込多数の場合は先着順)

  * 9月16日(金)までに、お名前・ご連絡先・ご所属を明記の上、電子メール、ファックス等で下記宛にお申し込みください。(お送りいただいた個人情報は、大使館へ提出する以外の目的には使用しません)
  申込先 えにし書房(担当・塚田)
  〒102-0074 千代田区九段南2-2-7-北の丸ビル3F
  Tel. 03-6261-4369 Fax. 03-6261-4379
  電子メール info★enishishobo.co.jp (スパム防止のため、★の部分を半角@に変えてご送信ください)

 なお、トークヴェベント終了後、20:30より近隣のブラジルレストラン「イグアス」にて懇親会を予定しております。(イグアスの地図はhttp://tabelog.com/tokyo/A1306/A130603/13048055/ をご覧ください) 
 会費は、『リオデジャネイロ歴史紀行』1冊の代金込みで6500円(書籍不要の場合は5000円)の予定です。参加ご希望の方は、トークイベントお申し込みの際に、その旨、お書き添えください。なお、懇親会のみの御参加も歓迎いたします。


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 * 8月6日付『東京新聞』「この人」欄で、内藤が『リオデジャネイロ歴史紀行』の著者として取り上げられました!

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