内藤陽介 Yosuke NAITO
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 コロンビアで和平合意署名式
2016-09-26 Mon 16:48
 南米のコロンビアで、半世紀以上続いた内戦の終結で合意した政府と反政府ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)による和平合意の署名式が、きょう(26日)、同国北部のカルタヘナで行われます。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      コロンビア・リオ五輪

 これは、今年(2016年)7月7日、コロンビアが発行したリオデジャネイロ五輪パラリンピック参加の記念切手です。切手は、停戦合意に向けた交渉が進展する中でデザインが作られたため、和平への期待を込めて各競技のピクトグラムを組み合わせて平和のシンボル、ハトが表現されています。ちなみに、切手の発行直前の6月22日、停戦合意が成立したことを受けて、8月の五輪の開会式では、コロンビア代表は国旗とともに、停戦協定を支持する平和の旗を掲げて入場行進を行いました。

 1959年にキューバ革命が起きると、コロンビアでもその影響を大きく受けた組織が数多く誕生しました。そのうち、1964年5月27日に結成されたFARCは、当初は武装農民運動でしたが、1966年以降、最高司令官、マヌエル・マルランダの下で社会主義革命政権の樹立を目指して反政府ゲリラ活動を展開するようになりました。

 1980年代初頭までFARCの勢力は1000人規模でしたが、1980年代半以降、FARCは麻薬密売組織と協力関係を結ぶことで多額の軍資金を獲得し、急速に勢力を拡大させました。その結果、最盛期の2000年代にはFARCの勢力は1万8000人にまで膨れ上がり、支配地域でのコカ栽培への課税、住民からの徴税、要人誘拐による身代金やコカイン取引で毎年推定8億ドルもの活動資金を得ていました。半世紀余りの間の死者は26万人以上、行方不明者は4万5000人とされています。

 2010年9月23日、コロンビア軍はFARC司令官のホルヘ・ブリセーニョを軍事作戦の末に殺害。さらに、翌2011年、FARC最高幹部アルフォンソ・カノを南西部カウカ県の山岳地帯で殺害しました。カノの死後、新たにFARCの指導者となったロドリゴ・ロンドーニョ・エチェベリ(通称ティモチェンコ)は、当初、武装闘争の継続を宣言していましたが、翌2012年2月26日、FARCはそれまで10年以上拘束していた軍・警察関係者の人質10名を解放するとともに、「今後身代金目的の民間人の誘拐は行なわない」とする声明を発表。これを受けて、同年10月、ノルウェーのオスロでコロンビア政府とFARCの和平交渉が本格的にスタートしました。

 2015年9月23日、コロンビア政府はFARCと続けてきた和平交渉について、半年以内に妥結することを発表。サントス大統領は同日、キューバの首都ハバナでFARC最高幹部のティモチェンコと会談し、紛争中の重大犯罪を裁く特別法廷の設置、犠牲者への補償、和平合意後60日以内に武装解除を行うことなどで合意に達しました。

 さらに、2016年6月22日、コロンビア政府とFARCの停戦合意が成立。翌23日、ハバナで、国連の潘基文事務総長、キューバのラウル・カストロ国家評議会議長、チリのミシェル・バチェレ大統領、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領らの同席の下で、サントスとティモチェンコ最高司令官が、①FARCは60日以内に武装放棄し、180日以内に全ての武器を国連主導の国際委員会に引き渡す、②国内23ヶ所に武器の引き渡し場所を設け、治安当局がFARC戦闘員の安全を保障する、③FARC戦闘員への逮捕命令は一時停止されるが、合意違反は処罰される、ことなどを骨子とする停戦協定に署名しています。

 さらに、リオ五輪閉幕後の2016年8月24日、コロンビア政府とFARCは内戦の終結に合意したとの共同声明を発表。今回の署名式はこれを受けて行われるものです。

 なお、和平合意を受けてFARCは完全に武装解除されることになりますが、FARCの放棄した武器は、国連が引き取ったうえで、ニューヨークの国連本部、コロンビア、キューバのハバナの3ヵ所に記念碑が建立されることになっています。


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