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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 サマーワからの手紙
2006-07-17 Mon 23:36
 イラク南部サマーワ(サマワ)に派遣されていた陸上自衛隊の隊員のうち最後まで現地で活動していた約220人が、今日(17日)イラクを出国。これで陸自隊員のイラクからの撤収が完了したのだそうです。なにはともあれ、1人の犠牲者を出すこともなく、無事に任務を果たされた陸自隊員の方々に敬意を表したいと思います。と同時に、引き続き輸送の任務に当たっておられる航空自衛隊の皆さんの御無事をお祈りしております。

 というわけで、今日はこんなカバー(封筒)を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

サマーワのカバー

 これは、1919年4月、サマーワからイラク内のウル・ジャンクション宛に差し出された書留便で、イギリスのイラク占領加刷切手が貼られています。切手の貼り合わせから見て、切手収集家ないしは切手商がつくったフィラテリックカバーだろうと思います。

 第一次大戦以前、現在のイラク国家の領域は、オスマン帝国のバスラ州・バグダード州・モスル州にほぼ相当していましたが、大戦を通じて、これらの地域はイギリスの占領下に置かれます。当初、占領イギリス軍はインド切手を持ち込んで郵便を行いましたが、後に、オスマン帝国の切手に加刷した切手を発行・使用します。このうち、今回ご紹介しているカバーに貼られているものは、イラク全域で使用するために発行されたもので、大戦末期の1918年9月から使用が開始されました。サマーワでは、1918年11月7日にイギリスの郵便局が開局し、占領加刷切手の使用が開始されています。

 サマーワはイラク南部ではそれなりの規模の都市なのですが、それでも、郵便物の残存数はかなり少ないので、今回ご紹介しているようなカバーでも、とりあえずは我慢せざるを得ないというのが実情です。

 NHKのアラビア語会話のテキストで僕が担当している「切手に見るアラブの都市の物語」という連載ページがあるのですが、かつて、そこでサマーワを取り上げようとしたものの、あまりにもマテリアルがなくて断念せざるを得ませんでした。さすがに、このカバーと現在の自衛隊関連のマテリアルだけで4ページを埋めるというわけにもいかないものですから…。

 まぁ、自衛隊が撤退してしまうと、日本ではサマーワのことが話題になることもほとんどなくなってしまうでしょうから、ギリギリ滑り込みで、いままで日の目を見ることのなかったマテリアルをご紹介してみたという次第です。
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