内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界の国々:ニカラグア
2016-10-02 Sun 11:35
 ご報告が遅くなりましたが、アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2016年9月28日号が発行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はニカラグアの特集(2回目)です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      ニカラグア・チャモーロと李登輝

 これは、1996年6月26日に発行された“ニカラグア=台湾友好”の切手で、台湾の李登輝総統とチャモーロ大統領が描かれています。

 1979年以前のニカラグアは、親米・反共を前面に打ち出していたソモサ独裁政権下にあり、対中政策に関しても、北京の中国共産党政権(以下、中国)ではなく、台湾の国民政府(以下、台湾)を唯一の正統政府として、台湾との国交を維持していました。

 1979年のニカラグア革命によって発足したFSLN(サンディニスタ民族解放戦線)政権は反米左翼政権だったため、アメリカの介入により、1989年まで内戦が続いていました。こうした中で、FSLNのダニエル・ホセ・オルテガ・サアベドラ政権は、中国=社会主義との理解により、1985年に台湾と断交して中国と国交を樹立します。

 内戦集結後の1990年2月、国連の監視下で行われた大統領選挙でオルテガが僅差で敗れ、国民野党連合のビオレータ・チャモーロが当選すると、チャモーロ政権はFSLN政権からの転換をアピールするために親米政策を採り、その一環として中国と断交し、台湾との国交を復活させます。

 その後も、野党となったFSLNは中国共産党と緊密な友党関係を維持し、2006年11月の大統領選挙では、FSLN候補のオルテガは中国との国交回復を公約の一つとして掲げていました。ただし、2007年に16年ぶりに政権に復帰したオルテガは中国との国交を回復せず、その後もニカラグアは台湾との国交を維持しました。

 その反面、オルテガ政権は中国に“第2パナマ運河”の建設を認め、経済的には対中従属の姿勢を強めています。

 運河建設計画は、形式的には、香港に本社を置く“香港ニカラグア運河開発投資有限公司(以下、HKND)”が事業主体です。同社は、2012年に信威通信産業集団(本社・北京市)代表の王靖が設立した企業で、翌2013年にニカラグア政府と運河の建設や運営に関して調印した後、中国の国有企業と運河建設の協力関係を締結するなど、その背後に中国政府・人民解放軍がいることは公然の秘密です。

 HKMDによる建設工事は、2014年12月に始まりましたが、事前の環境アセスメントや立ち退きを迫られている住民への補償が不十分なことに加え、運河完成後、HKNDには最長100年間の管理運営権が付与されることになっており、多くのニカラグア国民は計画に強く反発しています。また、米国は、中国のニカラグア運河計画に強い警戒感を持っており、そのことが、2015年以降の米国=キューバ関係改善の大きな契機となったとも指摘されています。

 さて、『世界の切手コレクション』9月21日号の「世界の国々」では、19世紀末以来のニカラグア運河計画についてまとめた長文コラムのほか、詩人のルベン・ダリオ、1972年のマナグア地震、メガネカイマンの切手などもご紹介しております。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧いただけると幸いです。

 なお、「世界の国々」の僕の担当回ですが、次回は、5日発売の10月12日号でのカンボジアの特集(2回目)になります。こちらについては、発行日以降、このブログでもご紹介する予定です。


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